「2年に一度の例大祭があって宮神輿が出るからいかが?」

と、誘われてお天気も良かったので出かけてみた。

辿り着いた先には驚くほどの人出。

血気盛んなあんちゃんたちがハッピー褌姿でひしめき合っている。

宮神輿が移動する度に、押せや押せやの大騒ぎだ。

はて、こんなに元気な住人がどこに隠れていたのだろうか?

と、驚いていると町会のお世話係の人が

「神輿を担ぐのは神輿同好会にお願いしているのよ」

と、教えてくれた。

「地元はおじいちゃんばかりだから…」

だそうだ。

都会のど・真ん中だけど、高齢化と過疎化は深刻な問題なのだ。

(と言っても地域柄、昼間人口は20倍以上なんだけど…)

此処でも例に洩れず

地元の人間だけで伝統文化を継続維持していくのはなかなか大変なよう。

神輿の維持もしかりで、

地域によって住人の協力が難しい所は神輿や山車を止めてしまっている。

伺った地区では、有難いことに地元企業の協力があり、

宮神輿以外は企業のガラス張りのロビーにキチンと飾られている。




正直ちょっと前まで

「祭なんて騒々しいだけで、面倒だわ」

なんて思ったりもしてた。

でも、隔年に一度のその時に焦点を合わせて、多くの人が力を注ぐのだ。

先祖代々受け継いできた祭を今年も成功させようと気持ちをひとつにする

その過程がとても大切なのだと気付いてからは、

お声をかけられたら出来るだけ伺おうと思うようになった。

これこそ一期一会。

今年しか出会えない人たちと、今年しか味わえない祭の空気を共有するのだ。

時が流れるのは早くて…。

街も移り変われば、人も変わっていく。

「明日でいい」なんて思っていたら、

人でも何でも、もうそこになくなっているなんてのは淋しいからね。




さて、今年は氏神さまである日枝神社の山王祭も控えている。

江戸三大祭のひとつと言われるのほどなのだから尚更にね、

今ある人たちとその景観を、しかと見届けようと思っている。