…と、言われた。

「文句のつけようがないから、おもしろくない」と。

絵画っていうのは、

その人の内面を表現するものだ。

他人には伏せておきたい汚い部分も抉り出し、何もかもさらけ出す。

意識と無意識の狭間で表現するものだ。

妙に意識が働いて、こぎれいにまとめてしまうと

欠点が見つからない面白みのない作品になってしまう。

絵画は「整いました」では、いかんのだ。

計算し尽くすのはグラフィックデザインだから。

絵画はもっと野性的で、もっと本能的で野蛮でなくてはいけないと思う。

見たまま上手に描くのは誰だってできる。

構成を考え尽くしてきれいに描くことも、少し勉強すれば誰でもできる。

誰にでもできないのは、その先に拓ける世界、

表現の追求の先にある自己の発見だ。

惜しみなく自分の内面をさらけ出すことによって手に入れることが許されるGIFT。

その実感を得るためには、

誰にも真似できない自分自身を表現し探求し続けることだ。

作品はアーティストの生き様そのもの。

だから作品の意図は伝わらなくても、

そこから放たれる空気感はその人そのものだと思うんだ。

その空気に触れ、じっくり語り合いたい、

…そんな風に思われる絵を描きたいと思う。