窓越しにぴかぴか光るのが気になって

夜のテラスに出た。

あまりの輝きに、初めはUFOか人工衛星かと疑った。

しかし一歩前に踏み出し南の空を仰ぎ見れば、

大天体ショーが広がっていた。

オリオン座もくっきり見えて、

輝きの正体がおおいぬ座のSiriusと分かった。

Siriusは、地球から見て太陽の次に明るい恒星だが、

ここまで輝いて見えると思ったのは初めての事だった。

東京でこれだけの星空を拝めるなんてのは、そうない。

うわぁ、すごいなぁ…

と、口をあけたまま見上げていると、

西にさっと流れていく光が視界に入った。

流れ星だ!

ああ、流れ星を見るなんて何年ぶりだろう…?

あまりの速さに願いを3回も唱えるなんて無理だと思った幼い頃を思い出した。

……もう1度見えないかな。

と欲張って、しばし足先を縮めながら星空を眺めていると、

東に見事な大きさの

口を真上に開けたボウルのようなオレンジの月が浮かんでいた。

その隣に立ち並ぶ丸の内ビル群のなんと小さいこと。

Starry Night...

まさに絵に納めたくなる星空だった。