水墨画の仲間が亡くなったと伝え聞いた。

そんなに親しくしていたワケではない。

でも、モノを創る人間って、

変なもので作品で繋がっているんだ。

だから人となりは知らなくても

作品からにじみ出るその人の特性は知っているつもりでいる。

急死。たった独りで亡くなったそうだ。

その姿を見つけてもらえたのは3日も後の事だそうだ。

その最後の瞬間にココロを寄せてしまうよ。

心細かっただろうな。

寂しかっただろうな。

きっと産まれたての赤ん坊のように

泣きながら心で母親を呼んでいたんだろうな。

…ひとは、いつまで経っても人の子なんだ。

しがない絵描きも、街角で眠りにつくホームレスも、

生まれてこのかた戦争しか知らない戦士も

ノーベル賞をもらうような偉い学者も、

どんな人も、人の子なんだ。

みんな泣きながら生まれてくる人の子なんだ。

だから、せめて死の瞬間は笑っていたいな。

と、思うんだ。…けどね。

合掌。