いつの間にかオトナになってるな、と思う時がある。
先日もふいにその瞬間に出くわした。
そこには知人の手みやげに高級栗羊羹をさらっと買ってる自分がいた。
ふと、
とらやの羊羹が好きだと言うおばあちゃんへ買ってあげたかったのを思い出した。
でも学生の時分で、1棹3千円を出せなかった。
きっと来年は、きっと来年は…。と思いつつ、
けっきょく一度もお土産として持って行けないまま…。
慣れない病院食でさらに細くなった不憫な姿ばかり思い出す。
あの時、こっそり持ち込めば良かったんだ。
たったひと口しか食べられなくても、
その舌先に運んであげれば良かったんだ。
……時間は流れて、
今、日常の贈り物として躊躇なく高級羊羹を選んでいる自分がいる。
そんな私をあの頃の自分はどう見るんだろうなぁ。
これが金塊ならなおいいなぁ~なんて思うあたり、
何も変わっちゃいないんだけどね。