ひところKYなんて言葉がはやったが

少なくとも日本では

「その場の空気を読む」のは人との関わりに欠かせないものだ。

たとえば何かを協議する時、

自分の主張を押してばかりでは、らちがあかない。

相容れない主張があるならなおさら、

押すばかりでは相手は引っ込みがつかなくなるから。

ひとつ道を譲って、相手を立てながら

細い道を確実に進んでいく。

相手の目を見て、ここまで進んでいいのかと確認しながら

途中いろんな果実を拾いながら、

雑草を踏みしめながら、

時には大胆に小川を飛び越えたりしながら、

自分の思う方向に少しずつ進んでいく。

将棋はやらないが、そんな類いに似てるのじゃないかなと思ったりする。

最短で相手を八歩塞がりにするんじゃなく

時間をかけて納得しながら、相手に敬意をはらいながら詰めていく

こういう協議の過程がけっこう好きなんだ。

だから、ガーーーとブルドーザーでやってきて

強引に分け入り、道を切り拓こうとする人が現れるとがっかりする。

最後まで互いに道を残すのが、私のルールだから。