授賞式後にパーティが催された。

「美人の隣で飲みたい」と、

ご年配の先生方が私の横に次々と椅子をもってきた。

いつしか円卓の片側ばかり

椅子がぎゅうぎゅうひしめきあっていた。

美人だなどと言ってくれるのは有難いけど、

ほんと冗談みたいな話だった。

女流作家は全体の1/3程度で、

その多くは秘書を連れたような大先生だし、

まるで学生のように見える若い作家より

たぶん私が気軽にお話しできそうな感じだったんだろう。

「僕は彼女と面識あるんだよ」

と、ちゃっかり主張する先生もいたり、

それを真に受けて退散する先生もいたり、

「私たちの傍にいなさい」ってガードしてくれる女性がいたり、

人間模様って多様で飽きない。しかし…



飲む時は、ただの人。
     (by 眞木準)


なんてコピーを思い出して、ひとり笑ってた。



圧倒的な存在感だった岩崎巴人先生が昨年亡くなられて

協会に覇気がなくなったかなとも思ったけど、

みなさんとにかくお元気で、終始笑顔に満ちてた。

パーティは作品と戦ってきた日々へのちょっとしたご褒美だ。

毎年会えて、水墨画や芸術という共通の話題で盛り上がれる、

そんな穏やかな時間を持てるのが、

短い人生においては何よりいとしい事なのだろう。

さて。

展覧会はまだ続いているけど、パーティは終わったし、

次のステップに向けて描いていかないと。


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国立新美術館での展覧会、来週13日までです。

『第37回 全日本水墨画秀作展』
〈入場無料〉
会場:国立新美術館(乃木坂駅直結)
会期:2011.3.2(水)~13(日)10:00~18:00 ※8日休館日