新たな年を迎え、プロ野球界も今秋のドラフト会議に向けた動きが活発化する。昨秋はメジャー志願ながら日本ハムに入団した160キロ右腕、大谷翔平投手(岩手・花巻東)が大きな話題となりましたが、各球団とも即戦力、将来のスター候補生となる新たな人材発掘が本格的にスタート。
大阪桐蔭・藤浪晋太郎、花巻東・大谷翔平の右腕ビッグ2がいた昨季とは違い、今年は左腕と捕手が注視されている。
ナンバーワンは、昨夏の甲子園で1試合22奪三振の記録をマークした桐光学園(神奈川)の左腕・松井裕樹投手(2年)。
昨年の秋季大会は県大会で敗れ、センバツ出場は逃したが、スライダーは圧巻の切れ味を誇る。まっすぐも最速147キロで、フォークと落差のあるカーブも魅力だ。
藤浪を支え、昨年の春夏甲子園連覇に導いた森友哉捕手(2年)の評価も高い。1メートル71と小柄ながら左の1番打者として甲子園で実績を残してきた。一発を秘める力と左中間への柔軟な打撃もあり「プロで十分いける」との声も多い。また、リード、キャッチング、肩も及第点で、捕手不足にあえぐ球団が多い中、長期的なレギュラー捕手としての期待もある。
花咲徳栄(埼玉)の捕手、若月健矢(2年)は、二塁への送球がプロの目安となる捕球から1・9秒を切る。右打者として右方向に伸びる打球も魅力で、秋の関東大会では、スライダーにも対応し、2試合連続本塁打を放った。春のセンバツでの全国デビューが楽しみだ。
大学生・社会人では、九州共立大の右腕・大瀬良(おおせら)大地投手(3年)が注目を集める。1メートル86、90キロのがっしりした体から、最速152キロのストレートを投げ込んでいく。
昨年の大学選手権ではロッテに2位指名された先輩左腕・川満寛弥投手(4年)とともに注目され、重い球質と持ち前の制球力で、「来年の1位候補」という声が早くも上がっていた。
一方、東都大学リーグで4季連続優勝をめざす亜大の右腕・九里亜蓮(くり・あれん)投手(3年)を推す声も多い。
「(1学年上でソフトバンク1位指名の)東浜に続く1位候補になるだろう。球筋、変化球もいい」とロッテ・山下スカウトも一目置く存在だ。
社会人では、JR東日本の右腕・吉田一将投手(日大出身)が上位指名候補だ。1メートル90の長身で、最速147キロ。球持ちがよく、ストレートは数字以上に速く感じられ、都市対抗と日本選手権でチームを連続準優勝に導いてきた。こちらも即戦力の評価だ。
大学生の野手では、富士大・山川穂高内野手(3年)が挙がる。北東北大学リーグでの通算本塁打は6本だが、昨年の日米大学野球で150キロ超の速球を満塁本塁打とした。
社会人捕手では、日本生命・小林誠司。広陵高(広島)時代に野村(現広島)とバッテリーを組み、同志社大、社会人とエリート街道で積んだ経験が魅力だ。