米大リーグ、前レイズの松井秀喜外野手(38)が27日午後(日本時間28日7時)、会見を開き、現役引退を発表した。
松井は紺色のスーツ姿で時折、目を潤ませながら振り返った。
――引退決断の理由は。
「チャンスをもらいながら結果が振るわなかったことが一番大きい。5、6年くらい前から両膝の状態も良くない時期があって手術も受け、体力的に多少下り坂の中で、だましだましやってきた。結果が出なくなって命懸けのプレーも終わりを迎えた」
――今の心境は。
「寂しい気持ちはあるが、ほっとした気持ちもある。非常に複雑。引退という言葉はあまり使いたくない。まだ草野球の予定も入っているしね」
――日本復帰の選択肢はなかったのか。
「今から戻ってユニホームを着てグラウンドに立つ、そこまではできると思う。ただ、僕のいいプレーを期待している方々にその姿を見せられるかは非常に疑問だった」
―― 一番の思い出は。
「長嶋監督と二人で素振りした時間。それが一番印象に残っているかもしれない。ジャイアンツで毎日のように二人きりで指導していただいた日々がその後の野球人生の大きな礎になった。感謝してもし尽くせない」
――日米通算で507本塁打を放った。
「本塁打は確かに僕の魅力の一つだったとは思うが、僕が常に意識したのはチームが勝つことで、そのために何をするかを一番大きく考えていた」
――自分に掛けたい言葉は。
「もう少しいい選手になれたかもね」
――指導者への道は。
「現時点では想像していない。ただ、もしかしたら将来そういう縁があるかもしれない」