(セ・リーグ、ヤクルト10-4阪神、21回戦、10勝10敗1分、26日、神宮)ヤクルト・宮本慎也内野手(41)が26日、阪神21回戦の三回にプロ野球3人目となる通算400犠打を記録した。
初犠打は95年4月21日の阪神戦。通算2000安打達成者の400犠打到達は史上初めてで、「脇役の超一流」を目指したベテランが、またも大きな勲章を手に入れた。
いとも簡単に決めた。5点リードの三回無死一、二塁。宮本がスタンリッジのスライダーをきっちり転がした。
「あまり意識はしていなかった。すごくうれしいわけではないけど、意味がないわけでもない。改めて自分は脇役の仕事をしてきたのだな、と思いました」
ベテランは淡々と話した。史上3人目、しかし2000安打を達成した打者の400犠打到達は初めて。まさに「脇役の超一流」を証明している。
2番に定着した5年目の1999年から、バントは宮本の一つの代名詞となった。
ヤクルトが最後に日本一となった2001年のシーズン67犠打はプロ野球記録。それでも「バントの場面でもチャンスを広げる打者になりたいと常に思ってきた」と振り返る。
バントだけでなく、安打も期待されたい-。プロとして「生きる道」だったバントが、打者として生きる「向上心」になった。
「自由に打てる打席が400減っているということ。すごい数字だと思う」と少しだけ笑った。400のバントを決め、なお2000のヒットを重ねた男-。勝利のためにバットを握り続けてきた宮本慎也の、誇るべき勲章が増えた。