第94回全国高校野球選手権沖縄大会決勝(15日、浦添商8-5沖縄尚学、沖縄セルラースタジアム那覇)
沖縄大会は決勝を行い、浦添商が沖縄尚学を8-5で下し、全国のトップを切って4年ぶり4度目の夏の甲子園出場を決めた。
前日の準決勝で延長サヨナラ勝ちの浦添商は、3度同点に追い付く粘りを見せ、八回に3点を奪って振り切った。
いまや新たな野球どころとなった沖縄の決勝は、一歩も譲らぬ戦いになった。
だが2回戦で興南に九回サヨナラ勝ち、前日14日の準決勝でも延長十四回サヨナラ勝ちで前原を振り切った「粘りの浦添商」の底力は本物だった。
一回にプロ注目の沖縄尚学・上間祐輔三塁手(3年)に本塁打を許した。だがその裏、右翼で先発した宮里泰悠投手(3年)が反撃の本塁打を放つなど、同点に追いつく。
「『リードされても諦めるな』と言い続けてきた。実践してくれて感無量」と宮良高雅監督。
六回にこの日3度目の同点に追い付いた。そして5-5で迎えた八回。4番・呉屋良拓左翼手(3年)の二塁打などで一死満塁とし、失策と野選で3点を勝ち越した。
投げては、先発したプロ注目右腕の照屋光投手(3年)を、五回途中からリリーフした宮里が、帽子が飛ぶほどの気迫あふれる投球を披露。
沖縄尚学打線を1安打に抑え込んで、逆転勝利を引き寄せた。宮里は「点を取ってくれると信じていた」と笑顔を満開にした。
前回2008年夏の甲子園では、好投手の伊波翔悟(現沖縄電力)らを擁してベスト4に進出。
1997年夏も4強入りしている。就任2年目でチームを聖地に導いた宮良監督は「甲子園では4強以上を目指す」と、先輩たちに追いつき、追い越すことを誓った。