◆阪神紅白戦 白組5―0紅組=特別ルール=(23日・宜野座)
7回1死二塁。城島が西村のフォークを振り抜くと、打球は左翼席にポトリと落ちた。
「ホームランを1本、損しましたね」
1年間にマークする本塁打数には限りがある。
独自の理論を持つ長距離砲は、昨年5月12日の広島戦(甲子園)以来の一発におどけた。
右肘、左膝の故障もあり、このキャンプから一塁守備に本格挑戦している。
この日、ライバルのブラゼルは左翼を守ったが、ポジション争いが過熱してきた。
「守備で下半身を使えば、もっと打撃も良くなってくるんじゃないかな」と和田監督も目を細めた。
左膝の手術明けだった昨年は、キャンプ、オープン戦では不発。
初本塁打は開幕13試合目(4月28日・対広島)だっただけに、完全復活へ明るい材料だ。
4回、平野の痛烈な打球を捕り損ね、左ふくらはぎを直撃された(打球が二塁・上本の前に転がり二ゴロに)。
「めっちゃくちゃ痛いよ」まだまだ課題は残るが、慣れないポジションに前向きに取り組んでいる。
「打つことに関しては特に何もない。強烈な打球を受けられただけでいいです」
日米通算292アーチのバットが、さびついていないことだけは確かだ。