▼ 涙の量

涙は1年にビール1本分

涙の量は多くて大体、1年間の量がちょうど 【350ml】です。1年間にビール一缶分しか涙は排出されないのです。

少ない方だと250mlの方もいます。個人差がありますが涙が少ない人をドライアイと呼びます。

特に近年はスマホ・PCの影響で瞬きの回数が減少してドライアイの方が増加しています。

1日に0.6~1.0mlと少量ですが、非常に重要な役割を持っています。また涙は涙腺から鼻腔にもつながっており、不要な涙は鼻水となります。 (目と鼻をつないでいる鼻涙管(びるいかん)というパイプの働きによるものです) 泣いた時に涙と一緒に鼻水が出るのはこれが理由です。涙の1粒の量が約0.02~0.05mlなので排出が間に合わない分が鼻水となるのです。


無色透明の涙は、実は血液と同じような成分で、こんなに様々な働きをする成分を含んでいます。

ナトリウム、カリウム、塩素(電解質)
ビタミンA ・ビタミンC
ブドウ糖(栄養成分) 
アルブミン(たんぱく質の主要成分)
ラクトフェリン、IgA(抗菌作用、免疫成分)
EGF(細胞成長因子)

涙は血液を原料に涙腺で作られています。

※泣いたときに涙よりも鼻水が多い方は鼻涙管が太く、反対に鼻水が少ない方は鼻涙管が細いと考えられます。

眠くなると、脳は自然に涙の量を減らしていきます。そのため、眠くなると目頭がショボショボしたりするのです。そうする事で自然と目をつぶりますので、それが入眠へとつながるのです。これは人間の生理反応と考えられます。
涙腺内の毛細血管から得た血液から血球を除き、液体成分のみを取り出したものです。 9割以上が水で出来ており、タンパク質、リン酸塩などを含んでいます。

痛みや悲しみを洗い流すように流れる『涙』は、『血』だっていわれると妙になっとくしてしまいます。
▼ 涙の味
・怒りが強いと『塩味』 ・悲しみが強いと『甘め』

また、男性に比べて女性が涙もろいのは、生物学的にも仕方のないこと。女性は男性よりプロラクチンが1.5倍多いため、涙腺が刺激されやすいのです。


怒りの涙でも、嬉し泣きでもストレスホルモンは排出されるが、涙の「味」は、そのときの感情によって変わるそうだ。「怒り涙や悔し涙を流すとき、カラダは交感神経の働きが優位です。すると、腎臓のナトリウムの排出が抑制されるため涙に含まれるナトリウムが多くなり、涙はしょっぱくなるのです。他方、喜びや悲しみの涙を流すとき、人は副交感神経が優位になっているため、ナトリウム含有量は少なくなり涙は甘めになります。甘さの理由は諸説ありますが涙に含まれるタンパク質が理由とも言われています。

涙腺神経(涙の腺)は 三叉神経、交感神経、副交感神経の三つの神経で支配されています。

うれしい時や悲しい時は、副交感神経が働いて薄い水っぽい涙が出て、悔しい時や腹が立つときは交換神経が働き,塩からくしょっぱい涙が出るそうです。

▼ 涙の種類
人は状況に応じて3種類の涙が流れるます。

① 感情にかかわらず、まばたきのたびに少しづつ分泌され、目の表面を潤している。

② 「反射性分泌」目にゴミが入ったときや、玉ねぎが目にしみたときに、これらを洗い流すために分泌される涙。

③ 『情動性分泌』これが、私たちがイメージする涙ですね。嬉し涙や悔し涙など、感情が高ぶったときに、脳からの信号を受けて涙腺から流れ出します。

▼ 感情の変化によって涙を流す理由
有力な説はフレイ博士の理論です。それは、「人間は有害な物質を体から排除するために、涙を流す」という説です。

また生物は排出する行為を「気持ち良い」と感じるように作られています。(例:排便、排尿など)
涙を流した後にすっきりするのは排出することで「気持ち良い」と感じて脳内にハッピーホルモンが分泌されるからと考えられます。

なぜ感情が高ぶると涙が流れるのか?それは科学的にもいえることで、涙によって自分を癒しているからだという。

「情動の涙には、プロラクチンやACTH、コルチゾールなどのストレスホルモンが含まれています。つまり、涙とともにストレス物質を体内から洗い流しているのです。同時に、脳内からエンドルフィンという快感物質も放出。泣いてすっきりするのはこのためです」

「涙もろい」ということは、それだけ自分を癒やす場面が多いということ。「涙活」が話題を呼んだが、ストレス社会を生き抜くためには「いかに積極的に泣けるか」も重要なよう。

「しかし、同じ『積極的に泣く』のでも、『嘘泣き』には、こうしたストレス解消効果はありません。むしろ披露やストレスが増強したという実験結果もあるほどなので、その場しのぎの『嘘泣き』は、控えたほうが賢明でしょう」

人間は、悲しくても嬉しくても【 強い感情(ストレス要因) ➡ 過剰なモルモン分泌(ストレス反応) ➡ 過剰分の排出(涙の排出) 】のサイクルが生まれます。これが涙を流す仕組みと言われています。

特に人は悲しい・辛いなどの想いをすると脳内に不快を感じるホルモンが増加します。これらは身体に悪影響を及ぼします。その為、これらを体外に排出しようという働きが涙ではないか?と言われています。泣くという行為は感情の起伏が大きい人ほど多く、小さい人ほど少ないと考えられます。

▼ 歳をとると涙脆くなるのは何故?
生物学的には「老化により大脳の前頭葉にもっとも早く機能低下が起こり、感情抑制のコントロールが十分に出来なくなり、その結果、涙もろくなる」という説が有力なようです。

涙もろくなることは、あなたがこれまでの人生でたくさんのことを経験し涙を流し、乗り越えてきたことの証なのです。あなたはこれまでの人生で涙を流してきた分だけ、涙もろくなるのです。こう捉えてみれば、老化現象のひとつとされる涙もろさも悪いことではない気がしますね。

年齢を重ねると、様々な経験が知識となって蓄積されていきます。当然、悲しい経験も沢山し、様々なシチュエーションが脳の中に引き出しのようにしまい込まれていきます。これらが共感を生みやすくなることで感情の起伏を大きくし、涙もろくなるとも言われています。また感情をコントロールする前頭葉が年齢と共に働きが落ちるのでコントロールが効きにくくなることも原因ではないか?と言われています。

▼ 涙の役割
涙を目に行きわたらせるために「まばたき」をします。「まばたき」は無意識の間に行っています。およそ1分間に13~20回行うと言われています。そうすることで目の渇きを防ぐことができます。これがまばたきの第一の目的です。

まばたきを必死で我慢していると目が痛くなってきます。すると自然と涙が出てきます。目はいわば臓器を露出しているようなもので、乾燥に弱いのです。そのため涙は常に作られて、流れ続けることにより目の潤いを保っています。

涙を目に行きわたらせるために「まばたき」をします。「まばたき」は無意識の間に行っています。およそ1分間に13~20回行うと言われています。そうすることで目の渇きを防ぐことができます。これがまばたきの第一の目的です。

まばたきを必死で我慢していると目が痛くなってきます。すると自然と涙が出てきます。目はいわば臓器を露出しているようなもので、乾燥に弱いのです。そのため涙は常に作られて、流れ続けることにより目の潤いを保っています。

乾燥以外にも物理的な刺激にも弱くなっています。目にちょっとでもゴミが入るととても不快ですが、涙は目についたゴミを洗い流す役割も担っています。そのほか涙に含まれる成分には殺菌作用があるので雑菌から眼を守る働きもありますし、涙の膜によって有害な紫外線を緩和する働きもあります。

保護以外にも目の表面に栄養を供給する役割も担います。細胞が生きていくためには栄養は不可欠です。普通それらを供給するのは血液ですが、血液が目の表面に流れていると視界がぼやけてしまいます。涙は血液の通わない角膜、結膜の栄養供給をしているわけです。

涙は3つの層から成り立っており、この厚さは約7マイクロメートル(1マイクロメートル=1mmの1000分の1)です。

いちばん表面の層は「油層」と呼ばれ、睫毛のところに1列に並んでいるマイボーム腺から分泌されています。油層は、涙が蒸発するのを防いでいます。

2番目の層は、涙の90%以上を占める「涙液層」で、タンパク質や酸素、脂質などが含まれています。

そしていちばん下の層は、結膜の細胞から分泌される「ムチン層」です。ムチン層は、角膜の水濡れ性を良くする働きがあります。水濡れ性とは、たとえば、窓ガラスに水が付いたときに水玉状になると「水濡れ性が悪い」といい、水が一様に窓ガラスにつけば「水濡れ性が良い」といいます。ムチン層があると水濡れ性が良くなり、涙がはじかれずに角膜上にきれいに分布するのです。

▼ 涙の生成法と経路

実は自分でも気付かないうちに目を潤していてくれていた涙

目の乾燥防止、目の殺菌、目の洗浄、角膜などへの酸素供給、角膜などへの栄養補給などを行います。

では一体どこからやってきたのでしょう?

涙が作られる生産工場は「主涙腺」という器官です。

まばたきをする度に、目の表面には一定量の涙が送り込まれます。乾きそうになると、私たちは、1分間に約20~30回程まばたきを繰り返して、無意識のうちに、目の表面に涙を送りこんでいるのです。目の表面を潤していた涙は、約10%が蒸発します。

残りの涙は目の内側にある「涙点」という小さな穴へと流れていきます。「涙点」を通った涙は、そこから目と鼻をつなぐ「涙小管」、さらに「鼻涙管」を通って、最終的には「鼻腔」へと流れ、鼻の中にたどり着きます。