行動科学とは、「人はどのような条件下でどんな行動を取りやすいか」を科学的に探究して法則性を見つけ出すものです。ちょっとした法則を知っていると、人との関わりがずっと楽になります。この行動科学的な服薬支援についてです。

行動が変わり、定着することを行動科学では行動変容と言います。私たちはつい「必要性がわかれば行動変容できる」、つまり「わかればできる」と思いがちですが、実はそういう人は日本人では1~2割しかいないことが判明しています。後の8~9割の人は「わかっただけでは行動変容できない」人たちです。つまり、できない人の方がどちらかと言えば普通の人というわけです。その人たちに行動を変えてもらうために行動科学が役に立つのです。

■わかればできる人は日本人では1~2割しかいない


■成功体験は自己効力感(自分はそれができる)を高め、失敗体験は低めます。

目標設定をするときは、その人が必ずできそうなことにしましょう。成功体験を増やすわけです。かなり頑張らないといけないような、高すぎる目標は失敗体験になりがちです。

■行動科学的な支援とは、「この人の、どこに働きかけたら行動変容が起きるのか」という視点で人を捉え、 その要素に働きかけるやり方

書籍「影響力の武器」なぜ、人は動かされるのか

★★★行動科学で人を動かすことの法則4つ

法則1 人は自分を受け入れてくれる人しか受け入れない
まずは聴きましょう。説明はそのあとです。他者が自分の大切な人だと思って一所懸命に聴くのがコツです。

法則2 説得されても続かない。納得したことは続けられる

他者が大切にしていることや困っていることは何かを知って、その人が受け取りたい情報を提供しましょう。聞いている他者の目が生き生きと輝けば、受け取ってくれた証拠です。

法則3 叱るより褒めるほうが結果が出る

他者のできていないところに注目する減点法から「どこができているか」の加点法に視点を変えましょう。「これくらい当然」と思わなければ必ずみつかりますよ。

法則4 わかればできる人は1~2割

「この人のシーソーはどこを押したら動くのかな?」と探すことを楽しみましょう。
1度や2度で動かないからとあきらめないことです。


書籍「行動科学 マーケティング」(赤)
書籍「空気」を変えて思いどおりに人を動かす方法