フセイン チャラヤン本人が語る、15年の | vipatafoのブログ

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東京都現代美術館で6月20日まで行なわれている展覧会『フセイン・チャラヤンーファッションにはじまり、そしてファッションへ戻る旅』の関連プログラムとして、アーティストトークが開催された. 展覧会オープニングのため来日したデザイナーのフセインチャラヤン本人と、キュレーターの長谷川祐子氏による対談形式で、チャラヤンの15年間の足跡が振り返られた. 作品に反映されるルーツ. トルコ系とギリシア系住民の住む地域により南北に分断された島、キプロスに生まれたフセインチャラヤン. 12歳の時に父親とロンドンへ移住するが、キプロスというルーツが作品のあちこちに見られる. 例えば、2000年A/W「アフターワーズ」では、椅子カバーがドレスに、椅子がスーツケースへと変化するコレクションを発表した. これは、戦乱から逃れるため家を空けることが多く「持ち物や慣れた環境を効率的に持ち歩くことはできないか? 」というアイデアに起因しているという. また、02年A/Wの「アンビモルファス」では、トルコの伝統的衣装が都会的なブラックコートへと段々と変化していく様をファッションに描き、西洋化するキプロスの様子を象徴化した. テクノロジーへの挑戦. 新しいテクノロジーを駆使した作品作りもチャラヤンの特徴だ. 07年S/Sの「R111」コレクションでは、電気/機械/プログラミング系技術者とコラボレーションし、オートメーションで動くドレスを手がけた. 50年代、60年代のパコラバンヌスタイル、現在、といった具合に「ファッションは111年の間にどう変化したか」という流れを一着のドレス上に表現した. 作品で使われた技術は既存のものではなく新しく開発されたもので、開発には8カ月間を要したという. アート/デザインの境界を超えて. 映像やインスタレーションで作品を発表することも多く、アートとファッションデザインの垣根を超えて活動するチャラヤン. その境界について彼自身は「アートとデザインを分けて考えることはありません」「アートにおけるデザインの重要性に気づいている人は少なく、むしろ、デザインのほうが批判的で興味深い要素が多いと思っています. それなのに、デザインが絵画と同じくらい真剣に捉えられないことを疑問に思うこともありますね」と述べた. トレンド/インターネットメディアとの関わり方. 世の中のトレンドとは無縁にコレクションを発表しているかのように見えるチャラヤン. トレンドとの関わりについては「自分では意識することはないが、自分のコレクションがトレンドマガジンに取り上げられているのを見ると、何かしら時代の傾向を表しているのでしょう」とした上で、「コレクションを手がける際には、一定の客観性を持って周りを観察し、思想や科学、哲学などを反映させている」と説明した. 一方、発展が目覚ましいインターネットについては「多くの人が自由に情報を入手できる、とてもいい側面がある」と指摘した.