
2027年末から始まる米国財政危機
株式や金への投資で、個人はどれほどの利益を目標にすべきなのでしょうか。
資産を10倍、20倍に増やしたという話は魅力的です。しかし、そうした高い利益を追い求める投資には、大きな危険が潜んでいます。
相場が上昇している間は誰もが強気になります。ところが、必ず訪れる
下落局面では損切りができず
、含み損を抱えたまま
資産を失って
しまう人が少なくありません。
パチンコで10万円、20万円儲かった人は自慢しますが、損をした話はほとんどしません。株式投資も同じです。成功した人の声ばかりが目立ち、
失敗した人の存在は見えにくい
のです。
では、長期的に資産を守りながら利益を積み上げるには、どうすればよいのでしょうか。その答えを考えるには、まず過去の金融危機と、これから訪れる危機の性格の違いを理解する必要があります。
過去100年間
には、四つの大きな金融危機がありました。
1929年から1933年の
世界大恐慌
では、ニューヨーク・ダウ平均株価が約
85%下落
し、回復まで長い年月を要しました。
1990年に始まった
日本の資産バブル崩壊
では、株価が約
75%下落
し、以前の高値を回復するまで約33年かかりました。
2000年のITバブル崩壊では、米国のNASDAQ指数が2003年までに約
70
%下落し、回復には約13年を要しました。そして2008年の
リーマン危機
では、住宅ローンの不良債権化が住宅ローン担保証券(MBS)の価格下落を引き起こし、S&P500指数は約
50%下落
しました。これらに共通するのは、
危機の中心が民間
の株式、不動産、金融機関にあったことです。その後、
各国政府と中央銀行は
利下げと金融緩和、通貨供給の拡大によって経済を支えてきました。ところが、今回想定される
危機は根本的に異なり
ます。
これから問題
になるのは、民間の負債ではなく、
米国、日本、欧州の政府が抱える巨額の債務
そのものなのです。
政府が
危機を救済する側から、危機の中心へと変わる。ここに、従来とは異なる重大な問題があります。米国30年国債の利回りは、2000年頃の6%台から2020年には1%台まで低下しました。しかし、2022年のウクライナ戦争以降、
インフレが再燃
し、長期国債の利回りは上昇に転じています。
国債の
価格と利回りは逆方向に動きます。既存国債が市場で売られて価格が下落すれば、その国債を購入した投資家が得る利回りは上昇します。