Fender 1965 MUSTANG White s/n L56156 | VIP GUITARSのブログ

Fender 1965 MUSTANG White s/n L56156



3月のOld Guitar GarageはMUSTANGを大特集!!60~70年代のMUSTANGを始め、MUSICMASTERやDUO SONIC、BRONCOなども一緒にFAIR開催中です。


その中から今回は1965年製のWhiteを徹底解剖いたします。


【HEAD】


65年までのスモールヘッドストック!この時期に使われていたペグはクルーソン社製のもので、ストラトキャスターなどに使われていたものとは異なりツマミの部分が白いプラスチック製が使われています。何故これなのかは不明ですが、エントリーモデル向けとしてコストが安いプラスチック製が使われたのではないかと思われます。

【Neck】


Fenderの他のモデルと同様にネックにはメイプル材が使われ、本機は指板にハカランダローズウッドが使われています!
この頃のムスタングには62年中期までのスラブ貼りの指板ものが多く見られます。この時期のFenderは生産本数がかなり多く、ラウンド貼りの治具だけでは生産が追いつかず以前のスラブ貼りの治具も使われたためです。

ネックデータは“8OCT65B”。8はムスタングの製品番号、OCTは10月のOctoberの略、65は65年製造を示し、BはBネック(ナット幅41~42ミリ)を示します。
スモールヘッド期のBネックは珍しく(ほとんどがそれより細いAネック)、しかもスラブ貼りのハカランダと来ればマニア垂涎のレアアイテムです!

【Body】


67年頃までのMUSTANGの多くにポプラ材が使われています。音抜けが良く歯切れの良いトーンはポプラ材によるところが大きいと思われます。
68年以降はアルダー材が使われ、69年以降はそれまでのスラブボディーから、ストラトキャスターの様にコンター加工が施されます。

【Pick Up】


フラットポールピース、ノーホールのカバーなどDuo Sonicから受け継いだもので、同系ですがストラトキャスターよりも出力が弱いのが特徴です。
本体裏面は薄い灰色の通称“グレイボビン”と呼ばれ、製作日は鉛筆書きされています。

【Pick Guard】


ピックガードはべっ甲柄の3プライで、他のカラーがホワイトのパール柄なのに対しホワイトのみべっ甲柄なのは何か強い拘りがあったのでしょうか?
また他のカラーがブラックなのに対し、ピックアップカバー、スイッチノブはホワイトが使われています。

【Control&Switch】




専用のコントロールプレートにはマスターヴォリューム、マスタートーンとシンプルですが、各ピックアップに独立したスライドスイッチがあり、3段階でオン、オフの切り替えができます。
また各セレクターの向きを非対称にすると両ピックアップの位相が逆になり、中域がなくなったフェイズアウトサウンドが使うるのもムスタングの特徴です。

【Bridge】


ブリッジの構造はジャガー、ジャズマスターと同じですが、サドルは中央に弦が通る溝があるだけで各弦の調整はできません。
ジャガー、ジャズマスターのような細かなセッティングはできませんが、両モデルにありがちな弦落ちは回避しています。

【Tremolo Unit】


新たに開発された“Dynamic Tromolo”!それまでのシンクロナイズドトレモロともフローディングトレモロとも異なり、支点を2点にすることにより滑らかで可変幅の広いトレモロを可能にしました。
テールピースの高さを調整することで可変が調整できたり、サイドからトレモロバーを固定するなど様々なアイデアが盛り込まれています。



Vintage MUSTANGの中でも高い人気を誇るWhite!
色焼けの具合や全体に入ったクラッキングは風格が漂います。

この一本にしかだせないビンテージならではのサウンドも大変魅力的です。

フェア期間中はスペシャル特典もご用意いたしておりますで、皆さま是非ご来店ください!