皆さまーっ
遅くにおばんにござります…
あなたの絵や作品に言の葉を添えます
楽しい絵画鑑賞のお話、させて頂きます
「 繪 の葉」
ヴィオ・優美でございます・・。
今日は、
今週末で会期終了となります、
『ティッツィアーノと
ヴェネツィア派展』
の、おそらく最後になるであろう、
レクチャー付き同行に、
ありがたくもご希望頂戴し、
ほんのり桜、ほころび始めの
上野公園を抜け、
東京都美術館へ行って参りました…
書籍たちにタブレット、
モロモロで
重量級の荷物を肩に、
往復の電車、ことごとくっ、
斜め前に座る方が下車し、
あたくしのお隣さんが着席、
斜め前に座る方が下車し、
あたくしのお隣さんが着席、
……が、まるで漫画のように
規則正しく繰り広げられ、
往復でのべ、2時間強に及ぶ
乗車時間中、
幸せな着席出来たのが、帰路、
最寄駅の一つ前の駅より、で、
その間、およそ2分ーーっ
それでもですね…
ホンモノの放つ力って、
本当にすごい…
どんな美辞麗句を並べても、
全くかなわない…
『フローラ』 1515年
きゅっ…と
柔らかに結んだ口角のくぼみ、
ふんわりした、
体温が伝わってきそうなやわらかな
肌の奥から、
うすみどりの細い血管が
透けて見えてきそうな、
拗ねているのか、
笑いをちょこっと
こらえているのか、
こちらまで
首を傾げてしまいたくなるような
表情、
ふくよかな
肩と胸にふんわりとかかる、
栗色の絹糸のような、
思わず手を伸ばして
触れたくなるような巻き毛、
やわ肌を包む、
白い衣は波のように軽やかで
その華奢な、
軽く丸めた右手には、
小さくも
香り放つ薔薇の花たち。
この絵をずっと見ていると、
どこからか、
優しげで
軽やかで
甘い香りが本当に
漂ってきました…
想像ではなくて、
確かに、
とってもいい香りが
風に乗ってやって来たのです…。
教皇パウルス三世の肖像 1543年
(画像、二点ともお借りしております)
時の最高位聖職者にして
最高権力者、
長き年を重ねた、
骨ばった軽い身体を、
がしかし玉座にどっしりと、
ゆったりと掛け、
その肘掛から落つる手の、
使い切った細く長い指に
鈍く光る指輪と、
年輪を重ねた、
つるりとした
手の甲と骨と血管、
高貴な者のみが纏える
マントと
玉座のカヴァーの緋色の
色褪せ方も毛羽立ち方も、
その
黒い瞳にただ一点差された
鉛白の光が
彼の身につけた全てを、
周りの全てを、
そして
見ている私たちをも、
すべてを力強く、
狡猾さをも滲ませながら包み込む、
その威厳。
写真、というツールもない頃、
モデルを前に、
瞬間、瞬間に垣間見せる
表情や滲ませる人柄を
瞬時に、的確に掴み取る
その才覚と、
画面へと落とし込み
描き出す、その卓越した技術。
ああ、
どんなに美しく画像処理が
なされていても、
どうしてもどうしても、
「生きている」
作品にはかなわない。
今は遠き、
織田信長、豊臣秀吉の世のころ、
はるかなる異国の地で、
ただただ、まるで写真のごとく
写実的に描く、にとどまらず、
その人や物の持つ
個性、
風格、そして
発せられる声や音、
周りに漂わせる香りや空気までも
画面に鮮明に残してくれた、
偉人、ティッツィアーノ。
時の教皇、そして彼とは
敵対していた神聖ローマ皇帝、
その両者から重用され、
なんと時のローマ皇帝、
カール五世においては、
ティッツィ(友達かっ)がポロリと
落とした筆を
かがんで拾い上げた、という、
逸話まで残されていたり、
88歳(ロングラーイフッ)で
天寿を全うした、
お金にはまっったく困らなかった
ティッツィ(だから友達かっ)ですが、
「私はもう95歳になり、
体調も優れませぬゆえ、
どうぞ年金の権利を息子へ譲り、
困らぬようにご配慮願います…
ゴホゴホゲホ(←ヴィオ加筆」
…なーんて書簡を、
当時、宮廷画家を務めていた
フェリペ二世宛に送るも、
じじつーーーーっ事実
当時、彼は80歳で
元気溌剌健康そのもの、
財産ザクザクちゃん、
…なーんて話も残っているほどの、
お金に細かーくて、
ちょっとケチンボで
ちょっとオモロくって、
ちょっとオッチャンなところも
あったりして、
人間くさーかったりして、
愛すべき人物、
だったようです…
今回の展覧会は、
そんな彼の筆による有名な真作が数点と、
彼に追随しその後、一時代を築いた
ティントレット、ヴェロネーゼの作品、
また、ヴェネツィア派特有の、
鮮やかながらも絶妙な階調を持つ
空や風景、
細やかな文様で、
艶やかな色彩の、
ふわりとした衣をまとった
優しげな聖母子や聖人、そして
騎士や商売人を描いた
リアリティ溢れる肖像画、など…
…(んでもってっ、ここだけのお話ーっ)…
ティッツィやヴェロネーゼたちの
作品の近くに並べちゃ、
ちゃーーーっ
かわいそーなのよぉぉ
…と感じてしまう作品も合わせ…
いえいえ…
500年ものちの、
遠い極東の地での
展覧会に出品されてる、なんて、
やっぱり嬉しいだろーなぁ…
さっきの、
いささかヒドい自分の発言を棚にあげる
今日、ご参加くださった
お客さまのご感想はまた追って
掲載させていただきますね…
なので(どこからの続きよぉぉー)、
荷物ヘヴィーだし、
電車で座れなくって
ちょいと
疲れちゃいましたけんど、
ティッツィや彼の師匠、
後輩さんたちから、
500年を経てもなお
何ひとつ衰えることなく、
つややかに生き続けている力、は
(全てっ…とは言わんけれど
)
疲れをどっかへ
飛ばしてくれましたよ…
皆さんにも、
この優しいパゥワー、
お分けできますように…
ティッツィ、(すっかりお友だち)
みんなっ、
ホントにありがとう…
今度はそっちに
会いに行くからさーっ
しばし、だけの
Addio(ばいばい)だねーっ
本日もご訪問、
本当にありがとうございました…
あ〝っ
こちらも…よろしければ
ぜひ、ご覧くださいね…
より情報にござりますよーっ
4月20日(木)
13時〜15時
中央線 豊田駅すぐ近くの
セミナールームにて、
『ミュシャ展を200%、
楽しみましょう!』
なる、素敵な方との
コラボセミナーを
開催いたしますっ
詳細はこちらをぜひ、
ご覧くださいね…
http://ameblo.jp/vioretta4649/entry-12258101458.html
また、
ミュシャ展鑑賞をワクワク楽しめます、
私単独で
5月9日(火)に
八王子にて講座を、また、
5月11日(木)には、
美術館同行も開催予定です
詳細は追ってお知らせいたしますが、
ありがたいことに
すでにご参加のご希望を
いただいておりますので、
先行でのご予約やお問い合わせ、
大歓迎でござります…
https://form1ssl.fc2.com/form/?id=071690a7ebcacc2f
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