すみません、またチェロと関係ない話ですが・・・
1週間前のエコノミスト誌で「ユーロを葬り去るイタリア人(ベルルスコーニ)」との対比で、紹介されていたのが「ユーロを救うイタリア人(マリオ・ドラーギECB総裁)」です^^
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/27858
エコノミストの反イタリア的論調、というのもちょっと度が過ぎていると思いますが、英語版のコメント欄も読んでもらえると、大分状況を相対的にみられると思います。
http://www.economist.com/node/21534815
ともあれ、11月1日から現職に就任し、本格的に財政・金融危機への対処に動き出したマリオ様ですが・・・意外と日本では知られていないのでご紹介させていただきます^^
大変悲しいことに、「イタリア人男性」に対する偏見(ステレオタイプ)が世界中で根を張っています。軽くて、必要以上にセックスアピールを強調するおバカさん、というネガティブなとらえ方から、いつまでも精力的でポジティブに人生を謳歌する洒落者、というとらえ方まで・・・
無論、オシャレになるのは結構ですが、中身が重要なのは日本でもイタリアでも同じことだと思います!
ベルルスコーニのような下品で教養のない人がいつまでも政権を維持できるのは、彼同様、脱税に躍起になっている経営者層と彼のような下卑た雰囲気の中道右派の人々の支持と、彼の徹底したclientelismo(縁故主義)のお蔭だと言われています。個人的な知り合いでベルを支持しているのは北部同盟支持層(北東部の中小経営者とか地方の会計士、弁護士など)が多いです。(「イタリア」(南部)のことなんて知るか!自分と自分の会社(家族)が幸せならそれでいいヨ、という超個人主義的な方々ですね^^;)
(同じく中道右派でも、知的な人、紳士的な人、ベルルスコーニを毛嫌いしている人はたくさんいます。そもそもベルが経営する会社が税金払えば財政問題は解決するんだ、という皮肉も聞かれますし。)
そして彼が選挙に強いのは、彼およびその家族が経営するメディア(新聞・テレビ)の影響力が強いと言われています。イタリア人は本当によく娯楽性の強いテレビ番組をみるんですよね~^^;そしてベルのテレビ局は裸に近い男女のダンサーが踊りまくる歌謡番組やお笑い、ハリウッド映画、ばかばかしいリアリティ番組なんかをよく放送しています。
(ただ一方で、実際にあった人には「いい人」という印象を与える抜け目なさもあるようです。一代で大企業を築き上げた才覚・エネルギー・カリスマ性、憎めないジョーク、義理堅い対応etc)
ともあれ、イタリアにも、高い教養と品性をもち、徹底したセルフ・コントロールをしながら、他者への気遣いを忘れない、誰に対しても等しく温和な態度を示す、真の紳士がいるということを知っていただけたらと思います。
日本の中高年男性に「いいなっ」と思っていただきたいイタリア人は、ジ〇ラモなんかじゃなくてマリオ・ドラーギです!
マリオ様はローマの財務省近くのお屋敷でお生まれになり、お父様もイタリア中銀にお勤めだったそうです。現在も営業する何の変哲もない床屋にお父様の代から通われていたそうで、現在も月に一度、自宅に通っていただいているという大変義理堅い方です。
またお父様を早くに失ったため、家族の面倒をみるのも彼の仕事だったようです。
とはいえ、相応の資産はお持ちだったようで、ローマ大学をご卒業の後、MITへ留学し、モディリアーニ教授などイタリア人研究者のもとで、研究にいそしみイタリア人として初めてMITでPhDを取得、「研究者になるものと思った」と評価されるほどの学識をお持ちになりながら、行政の世界に進まれました。
民間や、財務省での勤務もされていますが、どこでも非常に評判がよい方のようです。財務省時代には普通に省内の売店でカッフェを飲み、みんなに気さくに挨拶されていた、と今でも大変人気があります。(イタリアでも上の方になると大変権威主義的になって若い省員とは同じエレベーターにも乗らない人もいるようですから)
中央銀行でも変わらず穏やかで、しかし彼のスピーチは内容もしっかりしていて、ジョークも織り交ぜ、弱者への思いやりも溢れたものでした。
(現在の記者会見の様子はECBのHPで見られます^^)
出張中のマリオさまに飛行機で出会った個人的に面識のない女性が挨拶したところ、「こんなところに私を知っている人がいるなんて」と、親切に応対してくださったそうです。
私もフィウミチーノ空港でお会いしたことがありますが、そのときも大変紳士的で穏やかな印象を受けました^^
ドラーギ家の別荘でお知り合いになられたという奥様は貴族の血筋だそうですが、表に出てはこないしっかりとした知的な雰囲気の方です。

(お二人でローマのボルゲーゼ公園で仲良く写真を撮りながら散歩される様子がパパラッチに撮影されています^^;)
ベルルスコーニとは対照的に、マリオ様は「イタリアの良心」としてEU各国の金融関係者、政府関係者からも高く評価されています。
先日のローマでの若者グループが中心となった騒乱に際しても、ヒステリックに非難したベルに対し、マリオ様は一定の理解も示されるなど、大人の対応をされました。
ECBでのインタビューでアホな質問や同じことを聴かれても、穏やかにジョークを織り交ぜつつ、対応されているご様子^^
ヒステリックで自己弁解ばかりのイタリアの政治家たちとは、人格がちがいます・・・
このように対照的な2人ですから、当然馬が合わないようです(というよりベルやボッシが一方的に嫌っているようです)
ベルについては「誰が投票するのよ~」と手厳しい財務省の女性職員達もマリオ様の話になると、みなさんトロ~ンとなるようです^^
(ECBを巡ってドイツのライバルと争っていたとき、(ベルを毛嫌いしている)メルケルの決断が大きく彼の就任を助けましたが、友達たちの間では「やっぱりね~」でした^^)
どうぞ、温厚な上、切れ者かつ洒落者のイタリアの「良心」、(というか)ヨーロッパの「良心」であるマリオ様に注目してみてください

(最近日経にもちょいちょい写真が出ていますね^^)