チケットの意味(音楽雑談) | バイオリンを、音楽をもっと身近に-バイオリン講師 寿原宗人のblog-

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かねてよりどうしても書きたかった内容がある。

「チケット」というものに関して。


プロアマ問わず、コンサートかライブか問わず、よく

「チケット差し上げます!」や「チケット無料でいいです!」のような文言を見聞きする。

過去10年間、この話で何人もの方と揉めた。ただ本当に理解してほしいので投稿として広めて頂きたいと思う。



プロというのはギャラが出るものもあれば「チケットバックのみ」という仕事もある。


つまりお客様にチケットを売らなければ生活が成り立たないわけである。


そもそも1,000円で売ってるチケットには1,000円の価値がある。


それを勝手にタダでばらまくことでチケットが1,000円の価値から紙くずに変わってしまうことになる。

Aさんからだと1,000円払って買わなきゃいけない
Bさんからだとタダで貰える


この時点でタダのものに1,000円出す人がバカのようになる。

「Bさんはタダでチケットくれる優しい人」
「Aさんはがめつくお金取る人」なんて言われた日にはたまったもんじゃない。

そんな事なら「コンサート」やら「ライブ」などと言わず「発表会」として無料でやるか、客席がガラガラだろうと我慢するかどちらかである。


どうしても無料にしたければ、チケット代はしっかり払ってもらい、後日ご飯でも奢るような変換の仕方をするべきだ。


とはいえ自分も無料で配る場合もある。ただし理由なく誰にでも配るわけではない。


例えば1,000円のチケットであれば
「2人呼んでくれるなら3枚で2,000円にします」などだ。

「呼んでくれた方へのお礼」
「本来1人しか来なければ1,000円のお金しか入らないのに対し、2,000円のお金が入る」つまり全体としてプラスになり、かつ「3枚で2,000円」になっても「1枚のチケットの価値が0円」にはならない。



またそういった事以外で無料で渡す場合、必ず「今後も来てくれるなら今回だけ」といった言葉も重要だ。


誰かがチケットを紙くずにすると価値は崩壊する。


さらに言うとそういった団体が増えれば増えるほど音楽業界全体に影響を与え「音楽の価値自体」を下げていく結果になる。



政治家たちに「ばら撒きしたって根本的解決にならないだろ!」というのと同じ。



1,000円のチケットを買ってくれた人が10人入れば、そのコンサートは1万円の価値に値する。

無料で1,000人入ったところで、そのコンサートの価値は0円になる。


1万円の価値あるコンサートと0円の価値のコンサート。



「お金払ってでも来て良かった」

そう思ってもらえる努力を続けていくことが大事で、それの積み重ねで1,000円で買ってくれる人が1,000人になれば100万の価値あるコンサートになる。



ちなみに自分が出演するコンサートやライブに両親や妻など家族が来てくれる場合でも自分は必ずチケット代は貰ってる。(先に書いたようにその後ご飯代だしたりはするが)



「コンサート」や「ライブ」はチケット代がかかって当たり前です。

企業の宣伝やボランティアなどで無料のコンサートやライブがあったりしますが、それは「誰かしらがチケット代分を負担しているから」です。



自分が出るコンサートのチケットを当たり前のように無料で宣伝する投稿を見る度に、自分にお金を払ってチケット買って下さるお客様たちに申し訳ない気持ちでいっぱいになります…。