第38日目-2009年10月25日(日)15:00~
表板の形を眺めます。
次第に楽器の形に近づいてきましたが、まだまだ余分な部分が多く、粗どりをする必要があります。
もう表板はある程度の厚さになっていて、ここから先はアーチの形やf字孔の位置を確認しながら削っていかなくてはなりません。
まだf字孔に穴は開けませんが、位置や形を実際に表板に書き写して確認するために今日はf字孔の型作りをします。
f字孔は左右で同じ形を描かなくてはいけません。内型と同じようにプラ板で土台となる型を作成して書き写します。
まずは、どのようなf字孔にするかの検討です。
楽器の形はストラディバリのクレモネーゼからとっているので、ガルネリのf字孔を使用する訳にはいきません。
やはりストラディバリの形か・・・・似たところで差をつけるならオルナーティーの形か。
ストラディバリは直線が多く、すらっとスマートなデザイン。
オルナーティーはストラディバリに似ていてやや曲線を用いたやわらかい印象です。
いろいろ考えて無難にストラディバリのf字孔にすることに決定。
ストラディバリのクレモネーゼの実物大のコピーからf字孔を写し取ります。
まず、f字孔よりも一回り大きいサイズにプラ板をカットして長方形の形にします。
後に楽器の中心線に合わせて書き写すため、このとき、角は直角になるように注意します。
プラ板が薄く、ナイフで何回かなぞると簡単にカットできました。
さらに、このプラ板を表板にあてて、f字孔を書き写す際に、作業がしやすいように工夫をします。
単にプラ板にf字孔を書き写すのではなく、ケビキで●●mmのところにラインを引き、このラインを楽器の中心線に合わせて書き写します。
こうすることで、中心から均等の距離にズレなくf字孔を描くことが可能になります。
下準備が終わったら、実物大のコピーに中心線を引く作業です。
中心線を引くには、楽器本体の横の長さを計り、半分のところに点を打つ作業を2~3箇所で行い、それを結べば完了です。
ただ、いくつか問題があります。
楽器の画像は真上から撮影していても上部のネック付近と下部のエンドピン付近は若干の歪みが発生します。
また、ストラディバリのように古い楽器は経年の使用により楽器の角が擦り減ったり、欠けている事があり、単純に長さを計って半分にしても中心がずれることがあります。
歪みや楽器本来の形をイメージしながら上部1箇所、下部2箇所の長さを計って半分の位置に点を打ち、それを結んで中心線を引きました。
ここにプラ板をあててマスキングテープで固定し千枚通しでf字孔を書き写します。
フリーハンドで書き写すため、線がフニャフニャになったり、何度も線を引きなおして本当の線がどれかわからなくならないかなど不安がありましたが、意外とスムーズに書き写せました。
ここでマスキングテープを外し、f字孔の「f」の横を貫く横棒部分の作業をします。
この「f」の横棒部分はデザイン性を重視して曖昧に描かれているのではなく、両端のある地点から均等な場所に描かれています。
計算して決められた場所に刻まれているのです。
両端からプラ板にコンパスで半円を引き、交差した部分をつなぐと「f」の横を貫く横棒が引けます。
ここまでできたらプラ板に書き写した「f」の字をナイフで切っていきます。
最初は上下の丸の部分にハンドドリルで穴を開け、ナイフで穴を広げながら整形します。
「f」の中心を貫く太い直線部分は、最初は小さく切り込みを入れ、徐々に大きくしながら切っていきます。
はみ出したらおしまいなので削り過ぎないように慎重に作業をしながら完成形に近づけていきます。
いつも勢い余って余計な部分を切りすぎてしまうので、注意に注意を重ねて何とか綺麗に切り抜けました。
微妙なラインの歪みはヤスリで削って凹凸をなくし、滑らかな曲線に仕上げます。
自分で「よしこれで完成!」というところまでやったつもりで糟谷さんに確認をお願いしますが、次々とミスや削り足りない箇所が発覚。
何度も削っては確認しを繰り返し、3時間かかってf字孔の型が完成しました。

