朝の通勤のとき、近所に住んでいるおばあちゃんが、玄関先を掃除していることがたまにある。
そのおうちのご家族のことなんて僕は全く知らないし、もちろんおばあちゃんのことも知らない。
でもおばあちゃんはいつも、そこを通る人に声をかけている。

『おはようございます。行ってらっしゃい。』

小さく、上品な声で、優しく。

しかし、僕も他の人も、ただ会釈を返すぐらいで、中にはチラッと見ただけの人もいる。
そこでちょっと思い出した。

そういや、昔のご近所さんって、もともとはこうだったんじゃなかろうか?
少なくとも、自分の子供の頃、そんな感じだったように記憶している。

見ず知らずの人でも、朝のその時間に会うということは、たいていご近所さんだ。
そうやって挨拶を重ねているうちに、それは見ず知らずではなく、確実に『見知り』になるんだ。

今や、マンションの隣近所の顔も知らず、人ん家のことに介入すると怪しまれてしまうような世の中だけど、でもお互い顔を合わせて挨拶して、こんな繋がりが増えていけば、ご近所に守られるだろうし、ご近所の暖かさを感じられると思う。
今朝、そんなことに気付いた。

次におばあちゃんに会ったら、ちゃんと返してあげよう。

『おはようございます!行ってきます。今日もよい一日を!』