恐らく、どこかの誰かが

オリジナルLPを盤お越しし、

勝手にiTunes Music Storeで売ってる圧縮音源。


以前、国内でも、

Perfumeの圧縮音源が

同ストアに勝手に売られてて

騒ぎになったが、

たぶんこれもその類いだと思う。


というか、稀に聴く最低音質。

売るんだったら、もっとしっかりお越せよ!

特に、第二楽章から第三楽章の終いにかけては、

悲しくなってしまうほどだ。


だがしかし、この演奏は素晴らしい。

“巧過ぎる”の部類に入る。


大きい音は大きく、小さい音は小さく、

というメリハリの付け方に、少しの迷いもない。

流れに身を任せるのではなく、

最初から、どう演奏するか決め、

どんなことがあってもその通り、

演奏しよう、

という強い意志がある。


リスニング中、感じるこの心地よさは、

そう、まるで55年のハイフェッツそのもの。


ちなみに調べる限り、

この音源のオリジナルををリリースしたレコード会社は、

シゲティと同じ、ヴァンガード・レコード。

ここはとにかく音源の保存状態がロクでもないと見た。


この、下手をすればハイフェッツやミルステインと並ぶほどの、

バカテクなヴァイオリン奏者の音源類が、

一向に再販・復刻されない理由は、

そこにある。



ベートーヴェン  ヴァイオリン協奏曲 Op.61