城崎温泉の『本と温泉シリーズ』の一冊、湊かなえ著『城崎へかえる』を読み終わりました。
まず、この本!見た目がカニ🦀だ。
蟹は、城崎温泉の名物なんですよね。
恋に破れ、仕事を辞めた女性が亡き母との思い出深い城崎へ「帰り」、温泉と蟹を楽しみながら、小説家だった母の事を思う小説。
事件も殺人も起こりません。
出身地でもなく、両親の故郷でもない城崎へ「帰る」主人公。人にはみな、懐かしく思う場所がある。無条件に見たくなる景色がある。
小説家故に、主人公の母は、上手いことをいう。
両親の出会いを聞いた主人公に、自分が作った小説の一節を語って聞かせ、それを詰る主人公に、
『どうしたって現実が変わるわけでなし、人に迷惑かけない範囲で、過去を好きなように作り変えたっていい、その方が楽しい』とのたまう。
うん、良いね、それ。
時々、ふとした瞬間に、「あー!」と叫びたくなるほど、恥ずかしかったり、悲しかったりする瞬間を思い出す事がある。
人に迷惑をかけない程度に、素敵な思い出にすり替えよう。たった一度の人生を、終わったことに悩んだり、苦しんだりする必要ないもんね。
そんな事しても今の現実は変わらない、けど、明るい気持ちで生きてれば、ワクワクして生きていけば、未来は変わるかもしれない。
城崎温泉に行かなきゃ買えないこの本。
ネットでなんでも買えるこの時代に、貴重な一冊です。
