イキって本を読んでみようと思い329冊目に入りました。
今回読んでみたのは「古文単語330」(中野幸一 監修)
高校時代に使っていた古文の単語帳を引っ張り出してきました。
なぜそんなことをしているのかというと、本を買うお金が枯渇したからです。
1万5000円貯まるまで絶対本屋さん行くの我慢するぞ!
そんなわけで、昨日から受験生のようにバスの中で単語帳を読む人になってきました。
もう卒業してるのに……。
それでは感想を書き散らかしていこうと思います。
適当な概要
入試に必要な古文単語330語と関連語310語を収録した本。
普段の読解に必要な基本単語から難関大学入試で高得点を取るためのレア単語まで5段階で学べる。
この下ネタバレありの感想
↓
バスの中で成人が古文単語帳を読んでいることってあまりないですよね……。
英単語帳なら英検やTOEICなどの勉強をしている大人はたくさんいますが、古文は入試が終わったら使うことはほとんど無い。
だから『古文は社会で役に立たないから不要』と言う人も多いのかもしれません。
しかし、大人になってから古文の勉強をするのもけっこう楽しかったです。
逆にテストのプレッシャーがないからこそ純粋に教科書を読むのを楽しめます。
大人こそ中学高校の教科書を読むと楽しいとおすすめしたいです。
こうして古文の単語を見ていると、現代まで残っている言葉も多いことと、言葉は残っているのに意味が全然違うという単語が多いことに驚きます。
『やおら』『ゆくりなく』などは現代と意味は同じです。
しかし、古語の『ののしる』は今とは全然意味が正反対なんですよね……。
罵倒するという意味ではなくて、大騒ぎするとか評判になるという意味らしい。
『この世にののしり給う光源氏』という文章が出てきますが、別に光源氏が罵倒されているわけではなく、評判になっているという意味なのだそうです。
光源氏はちょっと罵倒されてもいいやろ。
古語の『飽く』も飽きるという意味ではなくて、満足するという意味だそう。
現代語でネガティブな意味の言葉がポジティブな意味で使われているとギョッとする。
確かに満足することは飽きることなのかもしれませんが……。
『そうぞうし』も騒々しいという意味ではありません。
漢字で書くと『索々し』で空虚な気持ちを表す言葉だそうです。
古語の『おろかなり』も愚かという意味ではなく、漢字で書くと『疎かなり』でおろそかという意味だそう。
意味が真逆に見えるけど漢字で書かれると納得しますね……。
『にほふ』は匂うという意味ではなく、漢字で書くと『丹』が『秀ふ』という意味で色が艶やかに照り輝くという意味だそう。
これは高校のときに習ったのを覚えています。
平安時代ってお香のイメージがあるから意外だと思った一方で、『赤が秀でる』という語源が美しいなと感動しました。
どうでもいいのですが、高校の古文の先生はものすごい特撮オタクでした。
授業中の雑談の間ずっと仮面ライダーゼロワンの語録を喋ってたのまだ面白い。
『成長したな○○、今のお前は心に怒りを宿している…』とか延々とおっしゃっていましたが仮面ライダー観てない人全員ポカーンでしたよ……。
古語では人の容姿の美しさを表す言葉が何種類かあるんですよね。
『うつくし』『うるわし』『らうたげなり』『きよらなり』『なまめかし』などいろいろありますがニュアンスが違うそうです。
うつくしは可愛らしい美しさのことを言うのだそう。現代語では美人系のイメージだけど可愛い系なのか。
うるわしは端正で折り目正しい美しさというニュアンスだそうです。
らうたげなりは守ってあげたい感じというニュアンス。
なまめかしはセクシー系…ではなく、漢字で書くと『生めかし』で生の果実のようなフレッシュな美だそう。
きよらなりは最高の美を表す言葉で、もちろん例文の『世になくきよらなる玉の男皇子さへ生まれ給ひぬ』は光源氏のことです。
この単語帳には古典文学から引用した例文が載っているのですが、「源氏物語」からの引用が圧倒的に多いです。
それだけ長い物語なんですね……。
他には「枕草子」「方丈記」「徒然草」からの例文が多いです。
でも時々聞いたこともないような作品名が出てきて、まだまだ古典文学のことを何も知らないなぁと思わされます。
「十六夜日記」って誰の日記だったっけ…
枕草子からの引用の『すさまじきもの。方違えに行きたるに、あるじせぬ所』という文章があります。
これは、『興ざめなもの。方違えで泊まりに行ったときにご馳走してくれない家』という意味です。
厚かましくない?
いや、平安時代の方違えのことあんまり知らないけど、泊めてもらってるのに厚かましくないですか?
他にも枕草子からの引用はありますが『下衆女(身分の低い女)が偉そうに~』みたいなやつばっかりでちょっと嫌ですね…
紫式部日記からの引用に『男だに才がりぬる人は、いかにぞや、はなやかならずのみはべるめるよ』という文章があります。
これは『男でも漢詩の教養をひけらかしている人は、あまり感心しない。華やかでなく思われますよ』みたいな意味です。
才(ざえ)とは古語で漢詩の教養という意味ですが、教養をひけらかすことを『才がる』と言うんですね……。
○○がる みたいな言葉って現代の流行語にもよくありますよね。
『エモがる』とか『エロがりを奏でる』とか。
あいつ才がってない?とか言っていたんでしょうか?
才がりを、奏でる(爆撃式部)
『かたはらいたし』という言葉は『片腹痛い』ではありません。
漢字で書くと『傍ら痛し』で傍らに居続けることができないほど気の毒/見苦しいという意味なのだそう。
『うしろめたし』も後ろめたいというわけではなくて、『後ろ目痛し』で後ろから見守って目が痛いほど心配という意味だそうです。
へぇ~。
こういう語源調べるの面白いですね。
『大殿籠る』が出てきました。
お休みになるという意味ですが、字面のインパクトがすごいですよね……。
高校の頃この単語をトイレに籠もるという意味だと勘違いしていたことがあります。
『ずちなし』という単語があります。
漢字で書くと『術無し』でどうしようもないという意味だそうです。
もう発音からしてどうしようもなさそうな詰み感があります。
ずちなし……。
古語では消息のことをせうそこと読むのだそうです。
意味も今の『消息』とは違って『手紙/訪問』という意味だそう。
現代の読み方より発音しにくそうでですが昔の人は普通にせうそこと発音していたのでしょうか?
『すまふ』という単語があります。
これは住まうという意味ではなく、抵抗するという意味です。
なんといっても語源は『相撲』なのだそう。
『装束く』みたいな感じで『相撲ふ』と書くのでしょうか…?
巻末のコラムには和歌の技法についての解説が載っています。
入試対策で和歌の枕詞を攻略するにはとにかく暗記するしかないらしいです。
あしひきの→山
たらちねの→母
ちはやぶる→神
みたいな最初の五文字で次に来る言葉が決まってくるやつですよね。
ぬばたまのは『黒』や『夜』に結びつく枕詞ですが、和歌以外でもよく見る気がします。
主に横溝正史作品で。
ぬばたまの闇を纏いて彷徨する如法暗夜の如き殺人鬼!みたいな意味はよくわからないけどとにかくカッコいい文章がやたらと出てきたような思い出……。
昭和のミステリー小説に出てくるノリノリの煽り文がなんだか好きです。
文学史の年表には源実朝の「金槐和歌集」が載っていました。
日本史の便覧で金槐和歌集のところに『現実から逃避』!とデカデカとした吹き出しでコメントが書かれていて笑った思い出。
実朝くんは現実から逃避してたんか……。
久しぶりに読んだ古文単語帳は思った以上に楽しかったです。
また大人になってからも中学高校の勉強を学びなおしていきたいです。
でも古文・日本史・英語以外の教科書残ってないんだよな……。
捨てなかったらよかった。
大人の学び直し用の本とかを買って読んでみようと思います。

