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(直人のおばあちゃんの言葉)

世の中 そんなに悪いもんじゃないから

 

 

 

監督:𠮷田恵補

脚本:𠮷田恵補

撮影:志田貴之

照明:疋田淳

音楽:世武裕子

企画・製作:河村光庸

出演:古田新太、伊東蒼、松坂桃李、寺島しのぶ、田畑智子、藤原季節、趣里、片岡礼子ほか

作品名「空白」

2021年9月23日公開

上映時間:107分

 

 

 

衝撃的な映像がここにもある

心臓に悪い

 

それだけに物語の重さが伝わってくる

 

古田新太の迫真の演技は残念ながら日本アカデミー賞にノミネートされていない

なんで?と思うほど、古田新太が凄い

添田充(古田新太)はガチガチに堅物の頑固おやじな漁師

それゆえか、元妻 松本翔子(田畑智子)とは離婚して

なぜか、一人娘 花音(伊東蒼)と暮らしている

 

 

 

 

この父親と娘の関係性は重要な要素

がんこ親父の人はよく観ておくべき作品

 

 

古田新太がなぜ迫真の演技をしているのか

それが、スーパーアオヤギの店長 青柳直人(松坂桃李)が原因

娘の花音が事故にあった原因としてだけではなく、店長がいたずら目的と思われ、

充の執拗な攻撃に合う

どんどん精神的にも追い込まれていく直人

松坂桃李にはこの役がよく似合う

ブロデューサーの河村さんがいつも選んでいるのだろうか

 

 

そんな店長 直人だが、食事のシーンでは食欲旺盛であることを描く

そこが妙で、あえてそのような設定にした意図がどこにあるのか

精神的に追い詰められた人間を描くなら、当然食欲がないようになるはず

ただ、直人が切れるあるシーンのためであるなら、食欲が必要なのかもしれない

 

 

また、直人の精神的支えになっていないが、必死に支えようとするおせっかい

おばさんの草加部麻子(寺島しのぶ)

大女優をこんな雑な役でいいのかと少し心配もするが

彼女の存在は大きい

いかにも世間にありがちな存在

しかし、そんな麻子にも苛立つときがある

 

 

 

また、亡くなった花音の通っていた学校側の対応も、社会問題の一つにある

であろう裏の実態を少し描いているし、花音の事故時の運転手に対する充の

態度とその後悲劇も心に刺さるものがある

ブロデューサー河村さんには、もっともっと社会問題を切り刻んだ映画を

作ってもらいたかったとつくづく思う

 

 

 

冒頭に挙げた充のおばあちゃんの言葉

この物語は、人を追い詰めるシーンが多く描かれるが、

優しさがちゃんと描かれる

前回の「ヒメアノ~ル」でも少し描かれていたが、

それよりもはっきりとわかりやすく描かれている

少し幸せな気分になる感じがする

でも少し変わりすぎな気もする

 

 

そして2024年公開「missing」へとつながる

その演出演技が石原さとみに受け継がれた

重くとも明るい光がきっとその先にあると信じて