こんばんは。
人間科学の専門家として総合病院ではたらく臨床心理士、五十嵐です。
“なぜ、このブログのURLは「viola-work」なの?”
先日、このブログを見てくれている後輩から質問を受けました。
ヴィオラ(violda)をご存知ですか?
ここでは、お花のヴィオラではありません。
ヴィオラは弦楽器のひとつで、ヴァイオリンよりもひとまわり大きい楽器です。
とても似ているので、ヴィオラだけを見たらヴァイオリンだと勘違いする人もいるかもしれません。
オーケストラの弦楽器は、だいたいは左から、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスという並びになっています。
これは奏でる音が高い方から低い順への並びとなっており、ヴィオラは中音部を担っています。
ヴィオラという楽器は、メロディ、つまり旋律を担当することがほとんどありません。
リズムを刻んだり、メロディの伴奏が主な役割。
脇役で地味なパートと言えるでしょう。
一方、バイオリン、そしてチェロなどは、とても美しいメロディを奏でるパートが楽譜の中で多いです。
いわゆる、花形です。
私は大学のオーケストラ部でヴィオラを弾いていました。
ヴァイオリンを弾いていた先輩に言われたことを今でもはっきり覚えています。
「ヴィオラなんて、そんな目立たないところばっかり弾いててたのしいの?」
すごく、悔しかったし、ヴィオラの素敵さが共有できないなんてとても残念だなと思いました。
たしかに、ヴィオラパートのみのパート練習は、正直、たのしい!と思ってはいませんでした。
メロディ、つまり、その楽曲の中心的部分がほとんどない楽譜の、ひたすらな練習。
でも、全体練習になったとき、これがとてもすばらしいのです。
自分たちの刻むものが、メロディの下支えをし、奥行きのある音をつくりだす感覚。
オーケストラで全体で合せた時の、あの、ぶわぁーっと胸が熱くなる、あの感覚が忘れられません。
そう。ヴィオラの本領は、合奏で発揮されるのだと私は思っています。
(もちろん、ヴィオラのソロ曲もすてきです。)
すなわち、ヴィオラはオーケストラの中で、主役ではない。
そして、合奏で本領が発揮される。
私はこれが、「臨床心理士」という職種にもあてはまると考えています。
私たちは、医師、看護師、ソーシャルワーカー、リハビリスタッフ、栄養士、薬剤師、さまざまな職種の中で働いています。
そして、その中心には患者さんやクライエントがいます。
つまり、
臨床心理士は、ケアの主役にはならない。
患者さんやクライエント、多職種の取り組みの奥行きが増すための下支えをするのが仕事。
なのではないだろうか。
そんな風に思うのです。
(以前もこのことを記事に書きました。「私たちは整理させていただくだけ」「私たちは整理させていただくだけ2」)
最後に、槇原敬之さんが「ビオラは歌う」という曲を歌っておられます。
この歌詞は、本当に私の気持ちとぴったりでびっくり。
こんな仕事ができる臨床心理士でいたいな、と思います。
あたたかく、すなおに。
「viola-work」への想いをお読みくださり、ありがとうございました。
