とあるアンティークショップの片隅でほこりをかぶっていたビクターの蓄音機。音管もサウンドボックスも木枠から外れてばらばらの状態になっていました。動かんよな。でもハンドルはついてるしサランネット破れてないし、置く場所ないけど買ってみよう、といつもの衝動買いです(オタクや)。

 

 

 早速家に持ち帰ってサウンドボックス廻りをあーでもないこーでもないと悪戦苦闘しながら組立て。なんとか形になったので、とりあえず手持ちのシングルレコードEPを置いてハンドルを廻したら回転しました(ゼンマイなのでとてもタフ)。うーん、こうなるとSP盤持ってないけど音が聴きたくなるよなあ。ええい、ままよと裁縫針をカットしてサウンドボックスにセットし、くるりと回転させてEPに針を落とすと、みるみるレコード盤が削れて行きました(そもそも回転数ちゃうやろ)。

 

 

 

 やはり軟弱なEPではだめだ。硬派なカイガラムシのシュレックだかシェラックでできたSP盤をオークションで購入(最初から買っとけや)。専用鉄針も入手して、晴れて針を落とすと、ものすごい音量でいにしえの音楽が鳴り響いたのでした。電気を使わずにこんなに家中に響き渡るほどの大きい音がするなんてびっくりです。体育館で聴いてもいいくらいかと(ホンマか)。その後針圧が調整できるように音管アームとサウンドボックスをスプリングでつなぎました(小ネタはさむな)。

 

 

 それにしてもゼンマイは開放された直後と最後の方では伝達力が異なるのに、盤の回転数を一定にできるのはなぜだろうと思い、調べてみると速度調整機というのがついているのでした。盤の回転中は上の写真の丸い錘も回転していて、盤の回転数が大きくなると遠心力で錘が外側へ広がり、錘と板バネでつながったディスクブレーキがかかって盤の回転を落とすという構造です。上の写真で左側にある円盤ディスクと、その右にあるフェルト製の四角いパッドが接触してブレーキします。回転が始まってゼンマイの伝達力が強い間はブレーキが強くかかり、ゼンマイの伝達力が次第に弱くなるにつれてブレーキも弱くなっていくので、その間の盤の回転数がほぼ一定になるという仕組み。電気を使わずにそんなことができるなんて、すごいぞ!蓄音機(お前が言うな)。

 

 そんな蓄音機の速度調整機を紹介した動画がこちら

 

 

 

 速度調整機が回転すると遠心力で錘が広がり、紹介者が指でつまんでいるディスクが左側へ移動するのが見えますね。なかなか調整は大変そうですが。。。

 

 その後SP盤を20枚ばかり入手して、週末にコーヒーを飲みながらジャズ音楽や流行歌を愉しんでいます。音はでかいんですが。。。(音管か箱型ホーンで工夫せんかい!)

 

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