秋になると湖に渡り鳥達がやってきます。小さいのやら大きいのやら、黒いのや茶色いのやら色々な鳥がのんびりくつろいでいて、見ていると癒されますよね。朝からこの岡谷光学の双眼鏡 Vista 3×30を持って野鳥観察に出かけると、どんな鳥がいるかとわくわくします。

 

 岡谷光学は長野県の諏訪湖にあったメーカーで、服部時計店(現セイコー)が販売元となっていました。1950年代にはクラシックカメラ通の間では割りと有名なフィルムカッター内蔵35㎜カメラLOADを製造したことでも知られています(小ネタはさむな)。この双眼鏡は1960年代後半から1970年代前半に製造されていたようです。

 

 

 この双眼鏡、長さ約6㎝幅約10㎝と大変コンパクトで倍率は3倍しか有りませんが、対物レンズが30㎜と大きくてとにかく明るくて鮮明なんです。覗くとパッと視野にきれいな像が写ってうれしくなります。双眼鏡の明るさはひとみ径(対物レンズ径を倍率で割った数字)の2乗に比例しますので、例えば同じ対物レンズの大きさの10倍双眼鏡と比べると(30/3)^2=100と(30/10)^2=9とで、約11倍の明るさが得られます。

 

 

 でも倍率は3倍ですから、観察対象に近寄らないといけません。近くだけでなく遠くに群れをなしている鳥も見たくなってしまうのが人間のサガですよね。私もこの双眼鏡以外にも8×30や18×25を持っています。18倍は単眼鏡です。高倍率のスコープは手振れがあるので防振機能付きが良いのですが、大変高価でなかなか手がでません。

 

 高倍率スコープの手振れを抑えるコツとして私は手の人指し指と親指で輪っかを造り、それで接眼部を持って顔に押し付けるようにして覗いています。顔とスコープの間のクッションとして指の輪っかを使うイメージです。そうすると鼻骨や頬骨が土台となってかなり手振れを改善することができます。防振機能付きにはかないませんが、そこそこ見れますので遠くはもっぱら指輪っか戦法です。もし試される方がいましたら指が目に入ったりばい菌が入ったりしないように注意して自己責任でお願いします。

 

 さて、第一次世界大戦でドイツ軍で使用されていたCarl Zeiss社製単眼鏡のレストア方法を紹介したOdd Tinkeringさんの動画がこちら

 

 

 

  真鍮のレストアにはケチャップなんですね。勉強になります。

 

 このVista双眼鏡はとあるアンティークショップで手に入れたものです。軽量で革のストラップが柔らかくて首から下げても気になりません。ケースの内張りもゴージャスで50年前のもの造りの丁寧さが伺える名品です。

 

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