FENDERのエレキギターに、「マスタービルダー」っていうグレードがあります。
腕利きギター職人が作った、究極のギター。
そのギターをメンテした人によると、ネックとボディの接合部の「塗装」が、塗ったときのままにしてあったそう。
ちょっと考えれば、塗装を削って「面」を出したほうが、ネックとボディが密着して「鳴り」が良くなります。
ですけど、あえて塗装の「凸凹」を残してあるらしいです。
なんでかといえば、70年代までのFENDERのエレキギターは作りが荒くて、ボディの塗装はそのままにネックを取り付けていたそう。
逆に、それが「FENDERらしい音」になるとのこと。
試しにボディの塗装を剥いでみると、FENDERらしい音から遠ざかるんだとか。
ギターの「鳴り」を追求すると、逆にそのギターの「個性」がなくなるっていうのは、技術者にとっては耳の痛い話です。
良かれと思って修理すると、裏目に出そう。
私も、PROPHET-5のチューニング精度が上がるように改造したことがありましたけど、そのままだとまるでソフトシンセのように「薄っぺらい音」に鳴りました。
シンセサイザーの修理の終わりに、必ず大きめのスタジオモニターで、出音を試聴していましたけど、その音に戻そうとすると、あえてチューニング精度を落とすことに。
あえて「欠点」を作り込むことで、その楽器「らしさ」が出てくるというのは、ギターと一緒でした。
欠点のように見えて、音楽的には個性をつくる「長所」だったというのは、わりとありがちなお話。
当店では、ビンテージシンセの音と振る舞いを、30年の修理実績から把握しております。
修理で演奏性をアップしつつも、同時にオリジナルの「音質」を尊重しています。
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