動作チェックしてみると、キーボードとシーケンサーが反応しません。
これはけっこう重症で、「CPU」がイカれている感じです。
そのせいで、CV/GATEの外部入力でも、安定して音が出ないときがあります。
とりあえずCV/GATE入力でシンセ音は出るので、SH-101を「アナログシンセ音源」として改造するようにお見積りを出します。
CPUを交換したいところですけど、調べたところ、ROLANDオリジナルのCPUは入手不可でした。
OKをいただいたので、修理に取り掛かります。
取り外したCPUを見てみたら、足が腐食していました。 左から5本目。
SH-101でCPUがこんな状態になっているのは、修理30年で初めて見ました。
この他にも、リセット回路が動作不良になっていたのと、+5VのCPU電源がショートしていたので、モロモロ駄目みたいですね。
まずは、電源スイッチとマスタボリュームが接触不良だったので、「VFS」接点洗浄/保護処理で復活させます。
電源のショートも、コワイので解消しておきます。
つぎに、アナログシンセ音源が、CPUがなくても動作するように改造を加えます。
といっても、次に修理するときに「仕様不明」にならないように、SH-101の基板には変更を加えません。
これで修理完了! 機能テストしてみると、動作OK!
外部のCV/GATEでも、きちんとシンセ音が出るようになりました。
CPUに依存する、VCOのオクターブ切替えと、ベンダーのモジュレーションは動作しませんけど、まったく使い物にならないよりはいいでしょう。
YAMAHA HS8で試聴すると、「SH-101」らしい音がきちんと出ています。
修理完了ということで、軽くクリーニングした後でお客様に納品。
当店では、ビンテージシンセの現状に応じて、修理をアレンジいたします。
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