動いてはいるんだけど、微妙に調子が悪いという、KORG 700Sの修理依頼を受け付けました。
700Sは、「喜太郎」で有名なビンテージシンセサイザーですけど、ノスタルジックな独特の音色で、いまでもファンの方が多いです。
動作チェックしてみると、こんな感じ。
1)キーボード 全体に軽く接触不良
2)VCO 半音くらいチューニングズレ
3)パネル スライダー接触不良(マスタボリューム、VCOピッチX2、BALANCE)
4) 〃 ロータリーセレクター 接触不良
5) 〃 トグルスイッチ 接触不良 多数
最近このパターンが多いですけど、前のメンテナンスから時間があくと、ありがちな症状です。
お見積りにOKをいただいので、修理に取り掛かります。
まずは、鍵盤の接点を洗浄します。
つぎに、内部の配線コネクターの洗浄をしようと思ったら、配線が全部ハンダ付けされてます。
それも、ロウ付けの「糸」で配線が束ねてある! レトロですね〜。
昔の真空管テレビとかが、こういう作りでした。
そのつぎが、パネルのスライダーとスイッチ類の、電気接点の洗浄。
マスタボリュームと、VCOピッチのスライダーを「VFS」接点洗浄/保護処理で改善。
その他のスイッチは、非分解なので洗浄だけしておきます。
ひととおり、修理が完了! 最後に、VCO2つの音程をチューニングします。
上の画像の、左の黒い箱がVCO、右の2つの箱がVCFとVCA。 KEIOって書いてある。
ここらへんは、ARP 2600やODYSSEYの内部構造とソックリです。
これで、修理完了!
機能テストしてみると、気持ちよくパネル操作が行えるようになりました。演奏もOK。
700Sは、いろいろ多機能なんですけど、ちゃんと動くと「表現力」が広がります。
YAMAHA HS8で試聴すると、「KORG 700S」らしい音がきちんと出ています。
修理完了ということで、軽くクリーニングした後でお客様に納品。
操作できないボタンや接触不良のボリュームは、早めの修理をおすすめします。
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