VINTAGE FIVE STATE 修理の実績(74)KORG 700S オーバーホール | Vintage Five State

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KORG 700S

動いてはいるんだけど、微妙に調子が悪いという、KORG 700Sの修理依頼を受け付けました。

 

700Sは、「喜太郎」で有名なビンテージシンセサイザーですけど、ノスタルジックな独特の音色で、いまでもファンの方が多いです。

 

 

動作チェックしてみると、こんな感じ。

 

1)キーボード 全体に軽く接触不良

2)VCO  半音くらいチューニングズレ

3)パネル スライダー接触不良(マスタボリューム、VCOピッチX2、BALANCE) 

4) 〃  ロータリーセレクター 接触不良

5) 〃  トグルスイッチ 接触不良 多数

 

最近このパターンが多いですけど、前のメンテナンスから時間があくと、ありがちな症状です。

 

 
KORG 700S パネルなし
お見積りにOKをいただいので、修理に取り掛かります。
 
まずは、鍵盤の接点を洗浄します。
 
 
KORG 700S 内部
つぎに、内部の配線コネクターの洗浄をしようと思ったら、配線が全部ハンダ付けされてます。 
 
それも、ロウ付けの「糸」で配線が束ねてある! レトロですね〜。
 
昔の真空管テレビとかが、こういう作りでした。
 
 
パネルのスイッチ
そのつぎが、パネルのスライダーとスイッチ類の、電気接点の洗浄。
 
マスタボリュームと、VCOピッチのスライダーを「VFS」接点洗浄/保護処理で改善。
 
その他のスイッチは、非分解なので洗浄だけしておきます。
 
 

KORG 700S VCO/VCF

ひととおり、修理が完了! 最後に、VCO2つの音程をチューニングします。

 

上の画像の、左の黒い箱がVCO、右の2つの箱がVCFとVCA。 KEIOって書いてある。

 

ここらへんは、ARP 2600やODYSSEYの内部構造とソックリです。

 

 
KORGは、キーCVが「Hz/V」仕様なんで、調整手順が独特なんですよね。
 
VCOの安定度は高めなので、調整後の周波数変動は少ないです。
 
 

これで、修理完了! 

 

機能テストしてみると、気持ちよくパネル操作が行えるようになりました。演奏もOK。

 

700Sは、いろいろ多機能なんですけど、ちゃんと動くと「表現力」が広がります。

 

 

YAMAHA HS8

YAMAHA HS8で試聴すると、「KORG 700S」らしい音がきちんと出ています。
 
修理完了ということで、軽くクリーニングした後でお客様に納品。
 

操作できないボタンや接触不良のボリュームは、早めの修理をおすすめします。

 


 

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