長い間メンテナンスをしていなかった、SEQUENTIAL CIRCUITS PROPHET-5 rev.3の修理を受け付けました。
動作チェックしてみると、こんな感じ。
1)鍵盤はガタガタ キー接点の接触不良 多数
2)パネル ツマミの接触不良
3)VCFの音が、1ボイス出ない
4)電源ケーブル 皮膜破れ
5)ベンダー センタークリックが弱い
6)MODホイールの、ノイズ側の動作不良
7)ときどき、シンセ音に「サーッ」とノイズが乗る
アメリカ直輸入のPROPHET-5だと、ありがちな状態ですけど、それと同じです。
修理のお見積りを出して、OKをいただいたので修理に取り掛かります。
まずは、VCFの不良。
これは、VCFへの「カットオフ」CVを作っているICが、壊れていたので交換。
シンセ音にノイズが乗る症状は、ノイズ回路のICが壊れていて、ときどきノイズが漏れ出ていました。
これも交換します。
電源ケーブルが破れていて怖いので、新品ケーブルに交換します。
つぎに、ガタガタになった鍵盤のオーバーホールをします。
鍵盤を取り外して...
劣化したインシュレーターゴムを交換します。 ガタガタになったフレームを、修正。
キー接点も、折れた接点を元通りに直します。 17箇所 折れてました。
あわせて、「VFS」接点洗浄/保護処理をしますので、ほぼ2年は接触不良が再発しません。(見込み)
つぎに、パネルのツマミをメンテします。
パネル基板を外して、それぞれのツマミのボリュームをメンテナンス。 全部で26個。
ここも、「VFS」接点洗浄/保護処理を行なって、ボリュームの軸にグリスを入れます。
これでツマミを回すと、なめらかな感触になります。
つぎに、ベンダーのセンタークリックが弱いのを修正します。(すいませんが、写真は別のものです)
センタークリック用の部品が、根本でパキッと折れていました。
この部品を交換して、センタークリックの「強さ」と、ベンダーを動かしたときの「スムースさ」を調整します。
MODホイールの、ノイズ側の動作がおかしかったのは、これまたノイズ回路の不良。
PROPHET-5には、ノイズ回路が2つあるんですけど、両方ダメでした。
壊れているICを交換して、ひととおり修理完了。
内部を調整して、動作チェックしてみると、「VCO」の音程がおかしい!
それでも、音程の合わないVCOを交換したり、オートチューン回路を見直してみたりで、「一般的」なPROPHET-5の音階のズレに収まるように、修理しました。
シンドかった〜。
オートチューンがずれると、直すのがタイヘンなんですよ。
![爆 笑](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/001.png)
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