セットジュエリーを着けてみる

コスチュームジュエリーの魅力とは? と尋ねられたら、

  ー 色使いやデザインに遊び心がある

  ー 服に合わせて自由に楽しめる

  ー セットアップで楽しめるなど 

挙げだしたら切りがありません。

こちらのブログでもその魅力について出来るだけお伝えしていきたいと思いますが、まず今回はその中の「セットアップで楽しめる多くのジュエリーはセットで作られている」ということについて着目したいと思います。

 

多くのジュエリーはセットで作られている

コスチュームジュエリーが大流行した1950年代のファッション誌に載った広告を見てみると ほとんど全てのモデルはジュエリーをセットアップで身に着けています。イヤリングは必須、それにネックレスとブレスレット、あるいはブローチとブレスレット、時には ネックレスとブローチも一緒に着けた4点セットで。この時代の広告では「本物の宝石にまけない魅力的なジュエリー」というコンセプトを全面に打ち出していたので やはりこうしたセットでの装いに重きが置かれていたのでしょう。

こちらの広告は1956年のトリファリの SAMARA Collectionのオリジナル版です。とても魅力的なモデルさんですが、シンプルなラインのワンピース(恐らく)の深くVに開いた襟元にネックレス、ショートヘアーに映える大ぶりのイヤリング、そして頬に添えた手の手首にはブレスレットを身に着けています。広告にはブローチも載っています。

 

 

2枚目は1枚目の広告の上に ネックレス、イヤリング、ブレスレットの3点を載せて撮影したものです。こちらのSAMARA COLLECTIONは 以前にも扱ったことはありますが、残念ながらセットでの販売にはなりませんでした。

 

そもそも日常でジュエリーをセットで身に着けるという習慣にはないというケースがほとんでしょう。となるとセットで身に着けるというのはちょっと勇気がいるようです。それに加え、普段馴染んでいるアイテムだけに注目という方が多いので、ブローチだけ欲しい、イヤリングだけ欲しい、或いはブレスレットは着けないという声が多く、やむなくセットを解体して販売ということも多くあります。

もちろんお客様のご希望が優先なのでそれは構わないのですが、内心は やはりちょっともったいないという気持ちがしています。

何といってもセットのままで入手できる機会なんてそうそうないからです。

 

セットで着けたときの効果

私の仕事はコスチュームジュエリーをご紹介するということに留まらず、その商品を身に着けた時にどう見えるか、どんな気持ちになるか、というように それを身に着けた人がその時に味わうであろう魅力を想像できるようにお伝えすることも重要な使命です。ということから 売場では、まず試着していただくこと、そして馴染みのないアイテムも一緒にセットで着けてみていただいてその魅力を実感していただくようにしています。

 

たとえばヴィンテージの大ぶりのブローチや デザイン性の高いネックレスを単品で着けると 何だかジュエリーそのものが浮いてしまっているように感じることがありませんか? 私も最初の頃 そう感じることがよくありました。そんな時にセットのイヤリングを着けてみると、どうでしょう!  最初は浮き立ったように見えたブローチやネックレスがイヤリングを着けたことで調和して バランスよく収まります。

これには驚くとともに、なるほどこういったところに、各アイテムのデザインやボリュームを計算しつくした当時のデザイナーの力量が表れて「やはりこれはセットで着けなくては!」という気持ちになります。

 

セットで着けることで それぞれのアイテム そしてそれを着けている人が何よりも美しく輝くのです。特にハスケルやジョセフのような少し大ぶりのデザインの物などにはそれが顕著に表れてきます。

 

また トリファリなどは 単品で買い求めて のちに同じシリーズの他のアイテムを入手というちょっと楽しいコレクション気分を味わうこともできますが、画像のような商品はそういうことはなかなか難しいので 思い切って手に入れておき、徐々にご自身の気分に合わせて着けるアイテムを増やしていけばいいと思います。

 

このように着けた時のバランス、調和についてのお話をしましたが、やはりそれにプラスして実際にセットで身に着けてみた時の気分の高揚感、充足感。

これはじっさいに体験していないと分からないものです。

 

こちらはほんの一部ですが 現在ショップで取り扱い中のセットジュエリーです。

セットジュエリーのコーナーはこちらです。

 

    

記事でご紹介したトリファリ三点セット

 

 

サンローランのセット

 

ハスケルのセット