観劇後のファン広場。

懐かしさと淋しさの入り混じる光景。


コロナ前は、人がいなくても、熱気や高揚感を感じる場所だった。


通りかかった時は人気がなくても、数時間前には、ここに大勢のファンの方が集まっていた場所。

「今日も頑張ってください!!!」という気持ちを込めて、生徒さんを送り出す。

「今日の服素敵だったね」

「今日もカッコ良かったね」

そんな会話が交わされたであろう場所。


そういった想いを巡らせながら、観劇前はここを通っていた。


また、公演終了、ざわざわと集まり、今日の公演の話しをしながら生徒さんの楽屋出を待つ。


しゃがんだ目線の先には、青々としたクスノキ。

阪急電車の走る音も懐かしい。


宝塚大橋には、下級生を待つ人たちもいた。

等間隔に、生徒さんごとの塊があった。


近いようで遠くて、遠いようで近い生徒さんとファンの距離。これが、宝塚の良さの一つだと思っていた。


コロナ禍を経て、その姿はなくなった。


いつか、この風景は戻って来るのだろうか。

時代と共に変わることは、宝塚に限らず必要なことだけど、私(私達)にしかしらない、こんな話しを楽しめる日が、近い将来戻って来て欲しいな。


それが『ムラ』だから。