家持

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磯の上のつままを見れば根を延へて年深からし神さびにけり 万葉十九・四一五九

 

天平勝宝二年(七五〇)三月九日。太陽暦の四月二十三日に当たる。春の終り、政務で国府の隣の古江村に行くのに渋谿の崎を通り、磯のほとりの一本の老木に目をとめた。家持が都では見たことのない木だった。木の名は「つまま」と教えられた。その木は磯の岩の上にがっちりと根をはっていて、見るからに年を重ねている様子である。年とった老木であるだけに、なんとも神々しく見えた。

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「つまま」という木は家持のこの一首しかない。その名は後代の文献のどこにもない。「つまま」の名を伝える古伝もなく、方言にもみられない。家持の歌によると、「つまま」は海辺に自生している木である。その磯の岩の上など土の少ないところにも生えていた。…それはこの地方に多い「たぶの木」が最もふさわしい。このあたりでは「たものき」ともいう。「たぶの木」は渋谿から北に行く氷見方面の山中にも多く見られ、至るところに老木がある。能登一ノ宮の気多大社の本殿の背後の「入らずの森」と呼ばれる社叢にはこの「たぶの木」の原生林があり、国の天然記念物に比定されている。

 

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○「つまま」=「たぶの木」なら、飯能の富士浅間神社にもみえる。成木川沿いの岩井観音堂と同緯度ラインで、井月も寄っているはずだ。

富士浅間神社、滝ノ入 タブの木

テーマ:

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埼玉県飯能市大字上直竹下分字滝ノ入300

主祭神木花開耶姫命、天照大神、加具土神、倉稲魂命、天之御中主大神、大山祇神、崇徳天皇

北緯35度50分38秒 東経139度15分11秒

 

滝ノ入 タブの木

この神社の裏山(境内地、飯能市上直竹下分301番地)にあるタブの木は、樹高約20m、目通り5.5m、根回り7m、枝張り東西約27m、南北25m、樹齢推定700年の巨樹で「滝ノ入 タブの木」

 

… ここはいすろまにあの詩人新井豊美が尋ねている。Zodiacシリーズの弐号目にこのタブの木の詩を書いた。当時三浦半島の先にアトリエを作っていたのでてっきり海の近くのタブの木かと思っていた。その後の話では青梅の近くの飯能の山の中だという。彼女らしいよい詩でずっと記憶に残る。ああこの山、媼が岳に彼女も登ったんだ。案外と険しい。奥の院に向かう途中の道にタブの木はある。

… 肝心の詩篇は自分の引っ越しの際紛失してしまったようだ。

 

岩井堂観音  N35度50分08.34 E139度18分02.53

飯能タブの木 N35度50分45.13 E139度15分11.46

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伊那六道の堤 N35度50分40.96 E138度01分40.10

 

CORRESPONDANCES

 

La Nature est un temple où de vivants piliers

Laissent parfois sortir de confuses paroles ;

L’homme y passe à travers des forêts de symboles

Qui l’observent avec des regards familiers.

 

Comme de longs échos qui de loin se confondent

Dans une ténébreuse et profonde unité,

Vaste comme la nuit et comme la clarté,

Les parfums, les couleurs et les sons se répondent.

 

Il est des parfums frais comme des chairs d’enfants,

Doux comme les hautbois, verts comme les prairies,

― Et d’autres, corrompus, riches et triomphants,

 

Ayant l’expansion des choses infinies,

Comme l’ambre, le musc, le benjoin et l’encens,

Qui chantent les transports de l’esprit et des sens

 

 

井月の晩年はこのforêts de symbolesに住んでいた。

<象徴の森>ではなく‐forêts de fantômes <亡霊の森>

それが井月の墓だった。