漠然とタイムリープものの青春映画だと思って

「リライト」を見に行った。

公開3日目の日曜(6月15日)だが、客が少ない。

池田エライザ主演だが、あまり人気がないのだろうか。
 

脚本を担当している上田誠といえば

劇団ヨーロッパ企画の台本を書いている人だ。

そして、ヨーロッパ企画といえば、

「サマータイムマシーンブルース」 をはじめ時間旅行ものが多い。

世界一かは知らないが、

たぶん、日本一タイムトラベルの好きな脚本家だ。
 

「リライト」のストーリー
高校3年生の夏、美雪のクラスに保彦が転校してくる。

保彦は300年後の世界から、

自分で開発した薬を使ってタイムリープしてきた未来人だった。

美雪と保彦は恋に落ちる。

7月21日、美雪は10年後にタイムリープして、

10年後の自分と出会う。

未来の美雪は一冊の本を示して、あなたが書く小説だと言う。

その小説を読んで保彦は美雪たちの時代へ来たのだった。

10年後、小説家になった美雪は保彦との日々を描いた小説を手に、

10年前の自分を待ち受けるのだが、いくら待っても来ない。

 ここまでは面白かった。

でも後半の謎解きの部分でがっかりした。

ちょっとネタバレになるが、タイムループを持ち込んだせいで、

ストーリーが大渋滞を起こしてしまったという感がある。


テイスト的にはヨーロッパ企画的コメディーにはならず、

あくまで、ビタースイートな青春映画だ。
言い忘れたが、この映画の舞台は尾道である。

大林宣彦監督の名作「時をかける少女」(1983年)の舞台だ。

「リライト」にも、

「時をかける少女」に出演していた尾美としのりが出ていたり、

ラベンダーの香りがしたりと、

いわゆるオマージュらしきディテイルが認められる。

そもそも本作は「時をかける少女」をリライトした作品だ、ともいえる。
 

そういえば「トキカケ」派生作品がいくつかあったなとウィキペディアを参照。
 

映画で見たのは
 

①仲里依紗主演「時をかける少女」(2010年)
②アニメ映画「時をかける少女」(2006)細田守監督
大林作品の約20年後を舞台にした物語。

テレビドラマでは
③「タイムトラベラー」「続タイムトラベラー」(1972年)
あの頃、教育テレビ(今のEテレ)は

夕方に「少年ドラマシリーズ」という枠でSFとか放送していた。

当時16歳。ドンピシャの年齢だったかー。
 

④内田有紀主演の「時をかける少女」(1994年)も少し記憶に残っている。

たしか安室奈美恵が妹役で出ていた。

①②はストーリーもよく出来ていたと思う。
③はとにかく懐かしいので、もう一度見てみたい。
 

中本奈奈主演の「時をかける少女」」(1997年)という

映画があるとは知らなかった。

エミリー・ディキンソンの詩が重要な役を果たすとか。

これはぜひ見てみたい。
 

「リライト」はストーリーはともかく、

映像もところどころなかなかきれいだし、

橋本愛の怪演は特筆に値する。

池田エライザとバチバチの対決をもっと見てみたかった気もする。

しかし、文句なく美しいと感じたのは、久保田紗友だ。
 

 

 

 

 

 

 

保彦役の阿達慶はオーディションで選ばれた人だそうだが、

羽生結弦に似てる。