今年の私的MDF決定。まだあと少し映画を見に行ける日は残っているけれど2023年MDF大賞を発表します。👏
MDF とはmost disappointing filmの略。
8位:ガールズドライブ:
女子高生たちが自分で車を運転して旅に出るというアイデア自体は魅力的だと思ったのだが。
アイドル映画として平均点に達してるのかな?
石川梨華と藤本美貴主演の『17才~旅立ちのふたり~』など名作だったという記憶があるが。
7位:イメージズ:
湖畔の瀟洒な家に住む童話作家の女性、死んだはずの男が出現と、幻想譚として舞台はそろっているのだが、結局ヒロインの精神錯乱という結論になって、あまりミステリアスな面白味が味わえなかったのでガッカリした。
ロバート・アルトマン監督はしょせん、幻視者ではない。
鈴木清順の『ツィゴイネルワイゼン』や『夢二』のような怖さ、美しさがいかに貴重か再認識した。
6位:こいびとのみつけかた:
haricot rouge のブログ『こいびとのさがしかた~まともじゃないのはトワもいっしょだとしても』参照。
5位:愛にイナズマ:
haricot rouge のブログ『 「愛にイナズマ」に無宗教一世がつぶやく』参照。
4位:ママと娼婦:
ポスト・ヌーベルバーグのジャン・ユスターシュ監督が1973年に発表したデビュー作。3時間半(219分)の大作だが、ほとんどの舞台がパリのアパルトマンとカフェの中。
同棲している彼女にも浮気を隠さない、
かってな男(ジャン・ピエール・レオ)と中心とした三角関係の中でのやりとりが延々続く。
はじめてエリック・ロメールの映画を見たときはフランス人はよくしゃべるな、と思ったものだったが、ロメールの映画は風光明媚なフランスの田園を舞台とするものも多く、そのあたりの映像も楽しめた。
本作は世界が狭すぎる。
せめて長さを半分にしろ。
3位:宇宙探索編集部:
喜劇精神が不足している。
宮藤官九郎に脚本を書かせろ。
2位人生は美しい:
haricot rouge のブログ『人生は美しい、映画は面白い?』参照。
大賞1位:ザ・ヒューマンズ :
昨日見た。
シネリーブル梅田ではA24の特集上映をやっている。
1本目「ショーイング・アップ」はなかなかよかった。
昼飯の後「ザ・ヒューマンズ」を見たが、退屈でよっぽど途中で出てこようかと思った。
内容は「A24の知らざれる映画たち」のサイトからコピーさせてもらいます。
ピュリッツァー賞に2度ノミネート経験のある劇作家スティーヴン・カラムがトニー賞を受賞した自身の戯曲を映画化し監督デビューを果たした本作。ブレイク一家は感謝祭の夜、次女ブリジッド(B・フェルドスタイン)がパートナー(S・ユァン)と暮らすニューヨークの新居に集まってきた。一見仲が良さそうな彼らだったが、夜が更けるにつれ一家の会話は不穏さを増し、それに呼応するように古びた建物は不気味な物音を響かせ、そして次々に明かりが消えていくのだったー。ヴァニティ・フェアほか同年のベスト映画リストに数多く選出された必見の1本。
原題:The Humans 監督・脚本:スティーヴン・カラム 出演:リチャード・ジェンキンス、ジェイン・ハウディシェル、エイミー・シューマー 2021年/アメリカ/108分 © 2021 THE HUMANS RIGHTS LLC. All Rights Reserved.
授賞理由(賞状、副賞なにもなし)
傑作戯曲の映画化ということで期待したが、どこがいいのかまるで分からない。
ふだんバラバラに暮らしている家族が、本作のように感謝祭とか、クリスマス、夏のバカンス、葬式などの機会に全員集合ということになって、そこからさまざまな軋轢、衝突が生まれる、という家族全員集合ものとでもいうべきフランス映画は何本も見た覚えがある。
アルノー・デプレシャン監督の『クリスマス・ストーリー』ぐらいしか今は思い出せないが、どの映画もわりと面白かった。
『ザ・ヒューマンズ』ではポルターガイスト現象のようなホラー風味が加わっているわけだが、ときどきよく分からない物音がして、「上の階でエアロビでもやっているのか」なんていう台詞もあって本当に怖いのかどうかも曖昧。
薄暗い室内が多く、とにかく全体に曖昧。
魅力的な女優が出ていないというのもガッカリポイントだ。
よく知らない外国人の宴会に間違えて紛れ込んでしまったような居心地が悪く退屈な時間を満喫させてもらった。
『人生は美しい』とどちらが大賞にふさわしいか考えたが、『人生は美しい』は期待外れ度でまさるのだが、部分的には面白いところもあったので、まったく魅力に欠けて思い切り退屈な本作を大賞に選んだ。