「大幹部 無頼」
渡哲也が一匹狼のヤクザを演じる。ヒロイン役は松原智恵子で、
芦川いづみはヤクザに騙されて転落してゆく薄幸の女性を演じる。
出番は最初と中頃と最後の方の三回。
ヤクザ映画は嫌いなので全編見なくてもよかった。1968 年/カラー/シネスコ
「明日晴れるか」
カメラマンの石原裕次郎とともに
東京探検というテーマであちこち取材しながら大騒ぎを繰り広げるというストーリー。
芦川はいつも黒縁メガネにスラックス。
早口でなにやら難しいことをしゃべりまくる頭でっかちな女性というキャラ。
腹を立てると車を猛スピードでぶっ飛ばす。
コメディーとはいえカーアクションは見事。
監督は中平康。1960年/カラー/シネスコ
「アラブの嵐」
ショートヘアの芦川はいかにも理知的な美人で、
もしこの三作で一番パブリックイメージに近い作品を選ぶなら本作だ。
エジプトロケを敢行したアクション大作。
石原裕次郎は大会社の会長だった祖父の遺言帖を肌身離さず持っていて、
ことあるごとに遺言のご託宣に従って行動する。
英語もしゃべれず、世間知らずのお坊ちゃんという設定だが、
後半アラビア語らしき言葉で歌を披露している。
無敵のヒーローというより、「明日晴れるか」のカメラマン役とともに、
なかなかかわいげのある役だ。
外国人が多数出て来るがみな日本語をしゃべっている!
昭和の昔はみんな妙だなとうすうす気づいてはいたが、
そんなもんだと呑みこんで見ていたものだ。
若い人たち、笑って下さい。
それより気になったのは、
芦川は戦時中に生き別れた両親を探しにエジプトまでやって来たという女性を演じているのだが、
その実の父がどうみても日本人に見えない、というこだ。どういう都合?
監督・中原康1961年/カラー/シネスコ。
映画館でよくチラシを集めているのだが、
特に貴重なのは「芦川いづみ映画祭」のような特集上映のチラシだ。
本稿もチラシのお世話になっている。
全作品について、公開の年、時間、カラーか白黒か、監督、脚本、主要キャストなど
基本情報が必ず掲載されていて、わずか4行の紹介文も気が利いている。
シネ・ヌーヴォーのちらしも他の映画館に置いていることがあるので、
もし見つけたらぜひ一部もらっておくことをお勧めします。