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フランス, アルザスワイン365日記

フランス、アルザス在住言語学博士
★アルザス生活の中の日々の徒然
★アルザスワイン、ワイナリーに関する記事を執筆中

グランクリュ アルテンベルグ・ド・ベルグビテン 

ALTENBERG DE BERGBIETEN 
コミューン ベルグビテン BERGBIETEN 

 

 

セステルティウス(古代ローマの硬貨の一種)や銀貨が発見されている土地だが、この地の真の豊かさとは、メロヴィング朝の王やドイツの皇帝を魅了した、このテロワールから生まれる光り輝くワイン。

 

  • 土壌の種類 泥灰土・石灰岩・石膏
  • 栽培面積 29,07ha
  • 畑の方角 南、南東
  • コミューン ベルグビテン
  • ALTITUDE210~265 mの間
  • ブドウ品種(割合%)
    • リースリング 75%
    • ゲヴュルツトラミネール 19%
    • ピノ・グリ 3%
    • ミュスカ 3%

 

アルテンベルグ・ド・ベルグビテンのワインは、フィネスと力強さを兼ね備えるだけではなく、濃厚さと優雅さの両方を上手に表現している。このグランクリュの特徴である塩味によって、2年間の熟成させることによって確実に味わいを増す。石膏質の土壌の恵みを受け、偉大な辛口リースリングになる。

 

アルテンベルグ・ド・ベルグビテンのワインは、角があり、どっしりとした酸味を持ち、その酸味がワインに奥行きを与える。豊満で深い味わいのワインは、エレガントなストラクチュアと非常にすっきりとしたバランスによって支えられている。口の中での変化は素晴らしく、見事なうま味、持続性ある香り、余韻に感じるタンニンの存在によって判断することが出来る。
リースリングは強い塩気が特徴。若いうちは熟した果実の香りが特徴のゲヴュルツトラミネールは、時と共に酸味ある美しい構成を保ちながらもフローラル系の香りへと変化する。

 

 

歴史

幾世紀にもわたり、ベルグビテンのブドウ畑の名声はアルザス地方内にはとどまらず、広くに知れ渡っています。1894年、ムツィグの軍事施設完成の式典時にアルテンベルグのリースリングを味わったヴィルヘルム2世は、その生産地を訪ねました。管理者のエレンソンが動作でベルグビテンのブドウ畑を指し示したところ、皇帝はこのブドウ畑を尊重し保護することを命じたのです。

以来この地では、驚くような発見に遭遇することがあります。1895年3月13日、鍛冶屋のエミール・ユベールが、彼のブドウ畑を耕していたところ、何か硬いものにぶつかりました。それは、13世紀上半期に流通していた、裏面に教会や天使、子羊、ワシが刻まれた7000枚の銀貨が詰まった2つの素焼きの壺だったのです。その由来は謎に包まれているものの、この素晴らしい銀貨のコレクションは、ドイツの博物館が購入しました。現在、ベルリンに展示されています。

 

 

テロワール

アルザス地方で「古い山」を意味する「アルテンベルグ」と名付けられたこのリュー・ディでは、人々の記憶に残る昔から常にブドウの栽培が行われていた。
ベルグビテンのブドウ栽培に関する記録は、11世紀の史料に初めて登場。1789年にブドウ栽培者に返還されるまでは、カトリック教の宗教団体、続いてストラスブールの司教区に属していた。
教皇レオ9世の記録によると、アルテンベルグでブドウを栽培していたトラエンハイムの生産者が、1050年にロレーヌにあるヘッセ修道院に6台の「KarrenWein」(ワインを積んだ馬車)を届けたと残されている。
ペリンの引用によると、11世紀、マルムティエ修道院はベルグビテン(Bottenheim)にブドウ畑を所有していたそう。
1138年から1141年の間、「Probst Buchard von Haslach」(Haslach地方のBuchardという名の教区長)、その後1141年から1162年の間に司教になった人物は、ベルグビテンに6区画の「Aecker vineti sis 」(ブドウ畑)を譲渡。
ベルグビテンにDinghoff(ドメーヌ)を所有していたDomstifft de Strasbourg という人物(1499年)の収入記録によると、そのブドウ畑とは、アルテンベルグにあった畑の事を指していた。

 

ブドウ畑と土地に対する愛情
アルテンベルグのワイン生産者とブドウ栽培者は、この土地が特別なテロワールであることを十分に認識しており、この地を保護するために自然を尊重する農業を心掛けている。

●草刈り機を使っての除草のみ。
●農薬の使用は禁止。
●抗ボトリティス菌剤の使用は除外。
●肥料は有機肥料のみ、年間1ヘクタールにつき最高30kgの使用制限。
●根が石膏質に達すると推定される樹齢7年以上のブドウ畑からのみ、アペラシオン・グラン・クリュのワインを生産することが可能。


その他、アルテンベルグのワイン生産者は、リースリングの残糖量を9 g/lに制限する規定にも同意。2001年に署名されたローカル的な基準は、偉大な辛口ワインであることを目指し、アルテンベルグ・ド・ベルグビテンのリースリングの特徴を保護する事を目的としている。

 

選び方とサーブ

このグランクリュは、4年~6年熟成させるのがお勧め。(ミュスカは2年~3年)。時の経過により、質感が洗練され、このグランクリュが持つミネラル感がワイン全体に溶け込んでいく。早熟のヴィンテージの場合、豊満で寛大、ワインの質感がエキゾチックな精神と潤いある個性を表現している。焼けた石もしくは灰を感じさせるミネラル感がある。晩熟のヴィンテージの場合、石や火打ち石を思わせる塩の風味がアロマに加わる。酸味がより洗練されているだけでなく、ワインはより滑らかで、新たなバランスを生み出す。

 

 

ヴィンテージ

 

  • 2011年:非常に素晴らしいヴィンテージ。過熟まではいかない見事な成熟度。
  • 2010年:晩熟のヴィンテージ。貴腐菌によって「色づいた」ワインで、非常に豊かな爽やかさ、現在も進化中。
  • 2009年:暑さが生んだ早熟のヴィンテージ、非常に力強い。リースリングはドライで若々しく、ゲヴュルツトラミネールはより柔らかく、驚くほどの爽やかさがあります。霧の多い初秋が、非常に素晴らしいヴァンダンジュ・タルディヴが生まれました。
  • 2008年:比較的晩熟の非常に典型的なヴィンテージ。リースリングはドライで緊張感があり、ピノ・グリとゲヴュルツトラミネールはより柔らかく、見事な飲み心地。
  • 2007年:糖度の高さにのみ注目すれば、早熟な年でしたが、アロマの成熟度を待ったために、収穫が遅れた年。リースリングは豊かな味わい(しかしアルテンベルグ・ド・ベルグビテンでは常に辛口)。初秋が見事なヴァンダンジュ・タルディヴおよびセレクション・ド・グラン・ノーブルを生み出した。
  • 2006年:9月に降った雨によって貴腐菌が早期に発生したため、難しい年に。
  • 2005年 :特別なヴィンテージ。辛口のリースリング、中甘口のピノ・グリとゲヴュルツトラミネールと共に、完璧なバランス。やや湿気の多い初秋だったが、雨が降らなかったため、非常に素晴らしいヴァンダンジュ・タルディヴおよびセレクション・ド・グラン・ノーブルが造られた。主張あるミネラル感。
  • 2004年:晩熟のヴィンテージ、非常に繊細で、今からが飲み頃。
  • 2003年:誰もの記憶に残る猛暑。しかしアルテンベルグでは、驚くほどのバランスを持つワインを造ることに成功。ワインは変化に富んでおり、爽やかさもある。
  • 2002年:やや晩熟のヴィンテージ、典型的なワイン。11月前に収穫されたヴァンダンジュ・タルディヴは大成功。
  • 2001年:非常に興味深いヴィンテージ。通年通りの成熟度と収穫日、通常通りのバランス。しかし、これらのワインの熟成していく様は驚きの一言。アルテンベルグの個性と特徴が明確に表れています。 

 

お勧めペアリング

 

辛口のリースリングは、肉または魚を添えたシュークルートや雄鶏のリースリング煮などのアルザスの伝統料理、グリルした海水魚や淡水魚をシンプルな料理、またはソースを添えた魚料理と抜群の相性。

意外な組み合わせでは、山羊のチーズ、または熟成パルメザンと一緒に楽しんでも良い。

ゲヴュルツトラミネールの優雅さと個性は、アジア(豚肉のカラメルソース煮、鴨のオレンジソース)またはアンティル諸島(鳥の細切りとマンゴーのココナッツミルク炒め)の甘辛い料理によく合う。同じく、カルダモン風味のサーモンのマリネなど、スパイスの利いた料理にもよく合う。

ヴァンダンジュ・タルディヴおよびセレクション・ド・グラン・ノーブルは食前酒として、またはフォアグラと共に、さらにフルーツやカラメル系、バニラ系のデザートと組み合わせても楽しめる。
偉大なテロワールワインのファンでも、そうでない人にとっても、全てのアルテンベルグは友人同士の集まりなどでワインだけを楽しむこともできる。

 

 

【引用 https://www.vinsalsace.com/jp/grands-crus/