フランス, アルザスワイン365日記 -28ページ目

フランス, アルザスワイン365日記

フランス、アルザス在住言語学博士
★アルザス生活の中の日々の徒然
★アルザスワイン、ワイナリーに関する記事を執筆中

フランス アルザスワイナリー巡り

 
ビオデイナミワイン生産者
 
Etienn Simonisへ。1660年代から続くお家だがワイン生産を始めたのは1960年代、ETIENNEさんのおじい様の代からだそうだ。
 
Ammerschwihr と言う村には、およそ30軒ほどのワイナリーがある。村からちょっと外れた所にあるワイナリーだ
 
 
「場所がないの」なんて言われて通してもらった場所はカーヴ。ここでテイステイングもさせてもらえる。
雰囲気重視ならなんとも素敵なワインテイスティングが楽しめる。
7haの畑で40,000本のワインを生産しているビオデイナミのワイン生産者だ。ビオデイナミ生産には既に20年以上だそう。
元々日本では伊勢丹などに入っていたそうで、現在は他のインポーターさんがこちらのワイナリーのワインが入っている。
今回は日本に入っていない代わりどころのワインをテイステイングさせて頂いた。日本には1000本ほど伝統的アルザスワインを輸出されているそう。
 
 
職人肌のEtienneさんは、最初物静かに仕事をこなしており、奥様が対応してくれていた。
けれども、仕事が一段落して、Etienneさんも加わると、1つ1つ情熱的にワインについて語ってくれた。
伝統的なワインが主だが、今流行りのマセラシオンや、ちょっと変わった珍しいワインがあり、今回はそちらを中心に飲ませて頂いた。どれもそしてネーミングも面白く、ラベルのデザインもシンプルで、そして味も他であまり見ないクリエイティブなワインだった。そちらは日本にも入っていないのだが、「日本にも入ると良いな。」とお話されていた。
 
 
Chasse -la は字遊びだが、品種はシャスラー100%。アルザスでは珍しいが、実はクレマンダルザスなどでも使われる品種。
絵柄も可愛く、可愛いボトルだ。
 
 
 
zebraも自遊び、白黒を表している。
赤ワイン用の品種ピノノワールを白ワイン生産と同じ製法で作ったワイン。だからzebra、シマウマ。
通常とは反対の製法をしている。色合いがロゼ、品種はピノノワールなのに、味わいもロゼぽい。
 
 
遊び心が隠れていて
ライオンには禁止のマーク。 ゼブラ、シマウマだから、ライオン禁止。よく見ないと分からないが、こういうところが個人ワイナリーさんの小さな遊び心だ。
 
 
 
こちらは今回のコロナウイルスの外出禁止の中で作ったワイン。コロナウイルスで亡くなった有名フランス人歌手を偲んで…
ピノグリ100%のマセㇻシオン、オレンジワイン。けれど、そんな想いが込められているからか、新型コロナの影響を思ってか、ちょっと切ない味に感じたのは私だけだろうか…。
 
せっかくなので王道ワインも
リースリング、グランクリュ Kaefferkopf  2017 フレッシュさと繊細さを持つワイン。やっぱりただのリースリングとは違う。
Kaefferkopfはアルザスの51番目のグランクリュ。ちょっと特別なグランクリュだと思う。
これは日本でも買えるらしい。
 
Chaud lapin はゲヴェルツラミネール、ミュスカ、ピノグリ、オクセロワ、リースリングのアッサンブラージュ。
甘口でフルーティ。ゲベルツラミネールの甘さがとミュスカのフルーティな香り、その後に酸味を感じられるワイン。
甘口でもあり、酸味もあり、甘口好きにも辛口好きにも合いそうな、「どんなワイン好きにでも合うワイン。」
 
ゲヴェルツラミネール、グランクリュ MACKRAIN 甘さの後に土壌の味わいである苦味を感じるエレガントなワイン。
もう少し熟成すると、さらに良いかもしれないとのこと。
アルザスワインはあまり寝かせない、早いうちに飲むワインと思われているが、アルザスワインも良いワインは20年経っても飲める。
 LUNE RAUSSEはピノノワールを白ワインと同じ方法で生産し、更に甘口仕上げになっている。
かなり珍しいワイン。
こちらはミュスカのセレクショングランノーブル風。規定としてはセレクショングランノーブルと呼べないが、複雑な味わいの甘口ワイン。ミュスカもアルザスのミュスカ50%、オトネル50%と2種のミュスカを使用している。
 
 
畑が荒れているように見えるかもしれないがこれがビオデイナミの畑。
小さな村では隣のワイナリーが何をしているか気になるところ。こちらのワイナリーでは既に30年前にはビオデイナミという名称を聞き、20年前からビオデイナミ生産をしているが、なるべく畑に負担を掛けないようにする、と言うのが、実は難しいことでもある。
 
綺麗に整備された畑を見るときちんと仕事していると思われるが、こんな整備されていない畑を見ると「このワイナリーさんは仕事をしていない、サボっている。」と認識されてしまうこともある。と言う。
こういう畑は人の手をかけない分、畑の様子を観察したり、見守っていくことが仕事だ。例えば病気になって、薬ばかり飲んでいてもだんだん薬が効かなくなってしまうのと同じで、なんでもやり過ぎはいけない。人間の性として、問題があれば何かしてしまおうとするのだが、実は手をかけない、自然に従うということはとても大事なことなのだ。
 
とても素朴なETIENNEさんは、最初お仕事が途中だったので、静かにお仕事をされていたのだが、途中から一緒にテイステイングに参加され、一つ一つのワインについて、とても情熱的に語ってくださった。私はワイン素人だが、かなりの数のアルザスワインをテイステイングしてきているので、こういう珍しいワインなどを見つけることが好きだ。
 
その味わいなどを「これはこんな感じですね。」と意見を述べると、ETIENNEさんの思う通りのワインの味わいを表現できていたようで、「そうそう、そう思って作ったんだよ。」と、とても嬉しそうにされていた。
 
素朴で真面目な、けれど情熱を持ってワインを作られている、そんなEtienneさんのお人柄が表れている、ワインたちだった。