石川県では最大級の建設会社である真柄建設が経営破たんで、民事再生法適用を申請した件でこっちの新聞は大賑わいです。


asahi.com 2008年7月8日より



http://mytown.asahi.com/ishikawa/news.php?k_id=18000000807080004

真柄建設経営破綻「連鎖倒産防止を」


 ≡県 金融機関交え協議会≡


 県内最大規模を誇る建設会社「真柄建設」の経営破綻(はたん)が、県内の政財界に衝撃を与えている。7日、同社の関連会社が事業停止に追い込まれ、弁護士に事後処理を一任した。県は同日、このような「連鎖倒産」を防ぐため、政府系金融機関を交えた協議会を開き、取引先に対して迅速な金融対策をとることを確認した。一方、メーンバンクの北国銀行の安宅建樹頭取は、破綻の引き金となった融資断念について「厳しい経営状況での増資は(北国銀行の)株主に対する背信行為になる」と、銀行としての立場を強調した。


 =関連会社が事業停止=


 県庁で開かれた金融円滑化連絡協議会では、真柄建設が民事再生法の適用を大阪地裁に申請したことで、中小の下請け業者や債権者が経営難に陥ることを懸念。谷本正憲知事は、無担保で8千万円の別枠保証が受けられる国の制度の早期適用を求めて9日に、中小企業庁に要請に行くことを決めた。


 また、国民生活金融公庫金沢支店など政府系金融機関は、取引企業の倒産時融資制度を紹介し、万全の体制で対応することを強調。県や商工会議所、建設業協会などは金融相談窓口を開設した。


 しかし、建設業協会の北川義信会長は「社員の給料を削るなどして業者は何とか食いつないでいる状態。このままだと倒産が増えるのでは」と建設業会の苦境を訴え、連鎖倒産の可能性を指摘した。


 事業停止した真和(金沢市、従業員9人)は、真柄建設が25%出資する関連会社。昨年12月に真柄建設の不正会計処理が発覚し、株式の評価替えによって多額の損失が発生。さらに受注を依存していた同社の破綻により、経営再建が困難になったという。民間調査機関の東京商工リサーチによると、3月期末時点の負債総額は29億円。


 一方、主力行の北国銀行は「北国セーフティーネット緊急融資」の取り扱いを開始。真柄建設からの入金の凍結などで運転資金が準備できない企業に対し、月商の4カ月分を上限に融資する。


 安宅頭取は今回の事態を「心からおわびしたい」と主力行として謝罪し、「連鎖倒産は絶対に防ぐ」と強調した。だが、破綻の発端は同行や北陸銀行(富山市)が融資を断ったことにある。安宅頭取は真柄建設の再建計画が達成できる見通しでなかったことを主張し「融資は引き受けられないと判断した。残念な結果になった」と述べた。


 また北国銀行はこの日、真柄建設に対する債権約79億円のうち、担保・保証がない債権が約47億円(有価証券約11億円含む)にのぼり、6月四半期決算に損失処理すると発表した。



 いや、地元では大きい会社ですし影響も大きいし、個人的に真柄建設に対して含むところは一切無いですよ。
 それにしても、さっきもニュースで知事がこの件について喋っていたのを見たんですが、対応がすごい早いですよね。


 いや、早いことはそれ自体悪くないですよ。けど建設だからこんな手厚い対応なのか?とか思っちゃいます。
 例えば、燃料費高騰によって逼迫している人・業界は腐るほどあって、先日もイカ漁船は2日間操業をやめたし漁師はバタバタ廃業してるし、農業だって洒落にならないくらいきついんですが、そっちの対策はやるやると言って久しいですけどいつになったらやるんですか?
 銀行が潰れそうになった時はあっという間に十兆単位のカネがポンと出てきたけど、えらく対応違うよなあ。


 一次産業なめるなよ。


koume

 「医療問題を注視しる!」シリーズですが、おおむねわかりやすい(長いけど)という評判を頂いています。とても嬉しく思っていますが、ちょっと疑問に感じるのは、これって本当にわかりやすいのかという点です。


 たくさんの人に読んでいただいているのは素直に楽しいことなのですが、どうもこのシリーズの読者の大半が医療関係者あるいは元々医療問題に興味のある人らしいです(事実上トップページとなるiryou0.htmへのアクセスは約50%がm3.comのコメント欄から)。
 もちろん、うちのブログはアクセスの少ないニッチブログなのでしょうがないし、本職の方に評価していただいたりツッコミされたりするのは嬉しいのですが、わかりやすさの評価となると、知ってる人は当然知っていることを書いただけのものなのでわかりやすくて当然な面があり、素直に受け入れるのはちょっとナイーブに過ぎると感じるところではあります。
 もっとも、私だって元々素人だったわけで、ちょっとかじった程度の人間がわかった範囲の事柄を読みやすく紹介した(読みやすいことにかけては他に類を見ないと思ってます)コンテンツのわかりやすさに関してそれほど卑下する必要はないとも思うので、まああまり気にせずにちまちまやっています。実際のところこの問題の一番大事な点は、まさに取っ掛かりの部分に気づくかどうかであって、内容自体にあんまり難しいことはないと思うので。最先端のとんがった部分は難しいですけどね。


 さて、わかりやすいということはわかられやすいと言い換えられますが普通言い換えませんが、読者のことを考えるといったいどれほどの読解力を想定するかの話になります。ここでつまずくのはわからず屋さんの存在です。
 つい先日のYosyan先生のブログに埋め草エントリー というエントリがあり、内容自体は先生自ら「やらなきゃ良かった」というくらい酷い自称医師の妄言を取り上げたものですが、それとは関係なくここのコメント欄の後半に、とある議論が存在します。
 その議論はまあ医療ブログを読んでいれば典型的といえるような類のもので、医療業界に対して周回遅れな予断を持ち込んで医師・医療業界を批判するてなものですがこういうことを言う人はほとんど全てがかなりのわからず屋です。エントリでも数々の常連さんがちゃんとわかりやすく現在の医療情勢を伝えようとしていますが、他のわからず屋達と同様にまったく理解しようとせずに終わろうとしています。


 で、当たり前のことですが、いくら医療問題をわかりやすく扱おうとしていると言ってもこんなわからず屋の事までは範疇に入れていません。こういう人を説得しようとするのはほとんど新興宗教にはまった人を抜けさせるのと同じくらい骨が折れる作業でしょうし(オウム信者でさえ未だに存在する)、それがほとんど無理なことは他の事例でもよーく知っています。
 ターゲットは、医療問題について偏った予断すら持っていない、取っ掛かりの部分も知らない普通の人たちです。医療問題に無関心な人、ですね。


 最近、モンスターの存在が報道上をにぎわしています。モンスターペアレント、モンスターペイシェントやモンスターハズバンドなどいますが、どれもどの程度の割合でいるのか分かりませんが、もしモンスターペイシェントがごく少数であっても医療者は疲弊する、といわれています。100人のうち99人はまともでも、1人がモンスターなら医療者の心を折るには充分だと。
 しかし、あくまで想像でものを言いますが、実はこれはちょっと違うんじゃないかと思います。


 もし仮に、1人のモンスターがいたとしても残りの99人がそのモンスターをたしなめるとか、排除するといった行動に出るならまだ医療者も救われるのではないでしょうか。想像ですが、モンスターペイシェント問題の本質は、存在するモンスターに無関心な99人の方なんじゃないでしょうか。


 今、「まともな」99人は、モンスターペイシェントの記事を新聞やテレビで見て、「自分はモンスターにはならないようにしよう」とは思っても「モンスターの存在が医療そのものを揺るがしている」とまでの意識には至っていないんじゃないでしょうか。そういう人たちが病院でモンスターを見かけても、自分には関係ないよと無視するのが普通でしょう。こうなると医療関係者は孤立することになり、傷を負ったら負いっぱなしで癒される部分がありません。
 まあ他の99人がモンスターを取り押さえるとか、英雄的な行為まで行かなくとも、みんなが無視せずに白い眼でモンスターを見るというくらいの空気があれば雰囲気はかなり違うと思います。そんな雰囲気があればこそ英雄的な行動も出来ますが、みんな見なかったことにしようぜな雰囲気の中で英雄になってもサムーイと言われるだけです。


 で、モンスターを白い目で見るためには、医療問題のせめて取っ掛かりの部分だけでも知ってもらう必要があります。モンスターの存在が自分の治療にも影響すると実感してもらわねばいけないからです。今はまだほとんど知られていません。せめて普通の人の51%には浸透していないと白い雰囲気は作れません。


 どうでしょうか。


koume

 北國新聞 7月3日朝刊より。



 耕作放棄地 来月から調査
 県、市町 11年度解消目指す


 県と県内全市町は来月から、県内全ての耕作放棄地の現地調査を行い、市町単位の「耕作放棄地解消計画」をまとめる。国は耕作放棄地を解消する方針を打ち出しており、県も二〇一一(平成二十三)年度中の解消を目指し、本格的な対策に乗り出す。


 調査は市町の農業委員会と連携し、耕作放棄地の実態を把握。荒れ方に応じて三段階に分類し、市町で具体策を盛り込んだ「解消計画」を策定する。


 放棄地の分類では▽草刈りなどで耕作が再開できる「緑」▽耕作再開には基盤整備が条件となる「黄」▽農地の復元が不可能な「赤」-に色分けし、地図上に表示する。「赤」については最終的に非農地への転換が迫られる場合もある。


 県内の耕作放棄地は奥能登など中山間地を中心に拡大しており、最新の〇五年統計では約三千百三十一ヘクタール。前回の二〇〇〇年の調査から百十八ヘクタール増加しており、農家の高齢化や米価下落など営農環境の悪化により、現在はさらに増えている。


 耕作放棄地の拡大防止に向け、県は棚田オーナー制度を通じた都市農村交流や、耕畜連携による和牛放牧のモデル実証、企業による農業参入の促進に取り組んでいる。県が重点的に取り組む里山保全とも密接に関わる点があり、県は「調査結果を里山保全に講じる際の基礎資料として生かしたい」(農業政策課)としている。



 これを読んで「あっトリアージだ」と思ったのは私が医療問題に興味あるとかそういうのとは関係ありますまい。赤じゃなくて黒タグにすればいいのに。


 さて農政課の役人さんは優秀ですので当然知っておられる事だと思いますが、記事にはまるで無かったので農地のことをご存じない方のために書いておきますが、農地が農地たりえる条件は雑草がどうこうだけではありません。

 もちろん長年ほったらかしにされた農地の雑草は、一般の皆さんが想像される「草ボーボー」とは桁違いで、木が生えているというくらいのレベルなのでそこまでになると鎌や除草剤程度じゃ太刀打ちできなくなり、限りなく黒タグ対象になりますが、農地にとってもう一つ超重要なポイントは水利があるかどうかです。


 その農地が川の近くにあるとか言うならまだマシですが、用水路が長年放置されて使い物にならなくなっていたらもういくら雑草が少なくとも農地としてご臨終です。特に中山間地の農地には冗談のように遠い取水場から用水を引いているところがあり、その集落に詳しい爺さんがいなければいったいどこからどう水を引っ張ってくればいいのかわからない田んぼだってあります。地図なり何なりを見れば載っているものがあるといえばありますが、実際のところ中山間部の取水はそんな甘いものではありません。信じられない方は金沢に来ていただければ案内いたしますが決死の覚悟が(ほんとに)必要です。


 先日、全くの素人から農作業を始めた人と少し話したのですが、田んぼの水回りがこんなに大変なものとは知らなかったと言っていました。
 普通の田んぼ仕事といえば、畦塗りをして田起こしをして、水を張って代掻きをして田植えして・・・となりますが、意外と知られていなくて驚いたことがあるのですが、この時田んぼに入れた水が秋までずっと残っていることはまずありえません。田植えをしたらその後はしょっちゅう、本当にしょっちゅう見回って、水がちゃんとあるかどうか確かめて減っていたら調節して・・・という作業を稲刈りまでえんえん繰り返すことになります。今日は水がなみなみあるように見えても翌日になったらカラカラって事は非常によくある話であり、田んぼに水が入れやすいか・・・つまり用水路に水が充分来るかは田んぼにとって非常に大きなチェックポイントになります。


 農地を守るということは同時に水利を守るということでもあるのです。たいていの場合用水路は田んぼ一枚一枚ごとにあるのではなく、少なくとも大元の用水に関して言えば複数の田んぼが共同で使うことになります。複数の田んぼを管理している人間が複数いればもちろんみんな共同で水路を管理します。つまり、年に数回ドブさらいや下草刈りなどをします。そうしないとあっという間に泥や落ち葉などがたまって水路が使えなくなるからです。


 なので、耕作放棄地が発生する時は集落ごとに固まって発生することがしばしばあります。例えば5件の農家で田んぼを作っている集落があったとして、そこの集落の田んぼが全滅するのは5件の農家全てが離農する時ではありません。2~3件離脱するだけで、用水路の維持管理が困難になって離農せざるをえなくなることがあります。高齢化が相当進んでいる集落だったら、たった1件の離農で全てが終わることもありえます。
 そしてそんなところへ、新しい人がいきなり入っていって何かできるとはちょっと考えられません。中山間地へ農業法人が入るなんてのはもう問題外ですが(大面積によるコスト低減効果が得られないようなところへ企業が入るとしたら、そこの経営者は相当の心臓かアホです)、仮に意欲がある個人が行ったとしても延々数キロの水路を一人で管理できるとはちょっと思えませんし、そもそもどこにどう水路が走っているか自体わからないでしょう。いくら田んぼに緑タグがついたとしてもそんなものに何の意味もありません。


 断言しますが、平成23年までに耕作放棄地を全廃するなんて間違いなく絶対不可能です。もっとも、全てに黒タグつけるなら話は別ですが。


koume

 koumeがボールペン作戦メインサイト にて申し込んだボールペンの実物を見て、これは!と思いついたので、トップ画像を新しく描きました。モデルはソフィア・パンタブルク大尉にお願いしました。

 8月20日までの限定画にしようかとも思いましたが、特に画に8月20日と描いていないので、その5限定(8月中にその6がアップされなければ)のトップ画にしようと思います。


suzu