農家こうめのワイン-ルビーロマン


※写真には一部フェイクが入っています。


 これ、石川県以外ではどれくらい知名度があるんでしょう?私には分かりませんが、県内ではけっこう有名です。去年から出回り始め、今年は2年目の、期待の新品種です。
 大粒で甘みが強く、酸味はあまりありません。すごく美味しい巨峰みたいな感じです。


 注目されているのはその価格で、去年の初物で最高額をつけたのは「加賀屋」という石川県が全国に誇る高級旅館が落札したもので、1房25万円でした。1箱ではありません。1房です。
 今年最も高かったのは、1房21万円だったと聞いています。30粒ついていたそうで、つまり1粒7000円です。


 写真のものはそんなに高いものではなく、というか下手すると規格外品みたいですが、それでも市場に出せば6~7000円くらいするみたいです。ちなみにこれ、買った訳じゃありません。もらいもんです(^^;農業してるとけっこう、周囲からいろんなツテで食べ物が集まります。


 宮崎のすごく高いマンゴーが一時期話題になりましたが、集約大量生産→値下げというラインより個人的にはむしろこちらの方向のほうが、日本農業にとって将来性があると思います。値下げ合戦では海外ものには絶対勝てません。日本対オランダというか国見高校対バルセロナより差があります。

 「農業経済に詳しい専門家」などがよく言うことですが、


米価を下げて零細農家を潰し、そのぶん農地を大規模専業農家に集めれば農家の収入は増え消費者も安い米が食べられ八方丸く収まる


 てな話があり、納得している方もそれなりにおられるようです。理屈の上ではそう間違っているようには見えないのですが、私に言わせれば、これはすでに実行されて、しかも完了しています


 実は米の生産者手取り価格ですが、20年前は現在の1.5倍近くあったというのは皆さんご存知でしょうか?しかも、これは額面の上だけでの話であり、物価や通貨価値のほうも考慮すれば実態の収入はもっと多かったと言えます。
 では20年前の農家は、現在の1.5倍以上の収入でわが世の春を謳歌していたのでしょうか?というとそうでもなく(豪農と呼ばれる人はいましたが、今でもいる)、今よりは楽をしていたでしょうがそれほどお金持ちばかりというわけでも無かったです。なぜなら、今に比べると耕作面積も生産量も大したことが無かったからです。


 20年前の専業農家は、今の感覚で言うところの中規模農家のようなものでした。で、20年かけて米価はだんだん下がってきました。その過程ではもちろん、現在農業経済評論家が言うように淘汰があったわけです。大規模化への道を選ぶか、あるいは農業を辞めるかです。農業を辞めた農家が作っていた農地は大規模化を目指す専業農家が借りて(買って)作る事になりました。
 今現在、中規模農家は絶滅し、圧倒的大多数の零細ウィークエンド農家と大規模専業農家にほぼ二分されています。そしてその生産コストにはもちろん開きがあります。専業農家は零細農家よりも低コストで米を作ることができています。


 というわけで、農業経済評論家が言うような理想はすでに達成されてはいないか?と思うのですが、なぜかここからさらに米価をドラスティックに下げようと考えているようです。評論家の皆さんは思い違いをしています。現在の米価はすでに、大規模専業農家の生産コストを基にした価格になっているのです。これ以上下げたら、大規模農家でも再生産不可能になり、潰れます。


 言い方を変えると現在の米価はすでに、小規模零細農家では赤字なレベルになっているのですが、ではなぜ未だに小規模零細農家が大量に存在するのか?というと答えは簡単で、趣味あるいは暇つぶしでやっているからです。趣味なんだから、お金を払ってでもやるんですよ。
 暇つぶしのほうはある意味ではもっと深刻で、つまり小規模零細農家とはどんな人たちかというと、田舎ですでに仕事を辞めた爺さんや婆さんたちです。子供も別居だし、もうほかにすることが無いんですよ。日がな1日家でボーっとするくらいなら、田んぼや畑を持っていて作り方も知っているなら、暇つぶしで農業します。

 赤字と言ってもそもそも小規模なんだからたいしたお金を払うわけでもありません。黒字にすることを目指していません。収穫物は自分と子供と親戚でタダで分け、どうしても余った分はJAに出してお小遣いにします。


 ところが専業農家にとって農業は趣味でやるわけではありません。収入が見込めなくなったら辞めます。最近は、それなりの規模の農家でも辞めるところが増えてきました。農業経済評論家は、価格が下がればやる気の無いところは撤退していくといっていますが、実際は「過剰なまでに」その通りになっていて、んで別の場所では「農業後継者の不足が深刻だ」とかいっています。当たり前でしょ。そもそも辞めさせるように仕組んでいるんですから


 こういう話をしていると、いやあ専業農家だけを見れば収入1千万を超えるところもごろごろあるんですよ、なんて言っている人がいます。いやよく考えてみて欲しいんですけど、その収入とやらが売り上げなのか粗利益なのか知りませんが好意的に見て粗利益だとしても、一戸あたりでしょ。3人で農業やってるとしたら、一人アタマ300万くらいです。50代男性の年収が300万円ってかなり寂しくないですか?
 ・・・というと均等割りなんだから一緒にやってる50代女性でも年収300万だろ、とかいわれそうですがこのおかーさんだってパートタイマーじゃないですからね。しかも一人リタイアしたら経営規模を一気に2/3しないといけません。子供を、一人で500万稼げる仕事に就けたいと思うのは当然でしょう。
 しかももちろん、この数字は現在の米価での話なわけです。米価を下げたらどうなるか?言わなくても誰でもわかります。


 でまー農家への戸別補償とか言うわけですけど、どう考えても、公平な制度になると思えない。てな話は次の課題にします。

 今さら言ってどうなるものでもありませんが、外国人参政権なんか成立した後にどうなっても知らんぞ。

 農家に戸別保障?ないない!

 昨日、群馬県衛生環境研究所所長の小澤邦寿氏の事を調べていて変なものを見つけました。三洋電機が開発した電解水技術により、新型インフルエンザのウイルスを抑制できると言う効果を、群馬県衛生環境研究所と共同で確認したと言うものです。


三洋電機、電解水の新型インフルエンザウイルス抑制効果を確認
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20090819/174912/


 三洋電機は2009年8月18日、同社の電解水技術が、新型インフルエンザウイルスに対して高い抑制効果を持つことを、群馬県衛生環境研究所との共同研究で確認したと発表した。


 水道水を電気分解することで生成される電解水は、さまざまなウイルスを抑制する効果を持つ。これまでの研究で、季節性インフルエンザや鳥インフルエンザのウイルスの感染力を抑えることが分かっている。


 検証実験では、遊離残留塩素濃度2mg/Lの電解水に10分間接触させることで、新型インフルエンザウイルスの感染価を99%以上抑制できることを確認した。感染価はウイルスの感染力を表す値で、結果は季節性インフルエンザや鳥インフルエンザの場合と同等だった。


 ウイルスを抑制する仕組みは、ウイルスが人の細胞に吸着するのに使う「スパイク」を、電解水中の活性酸素種が破壊して、感染を抑えるためと考えられているという。


 同社は、電解水を生成してウイルスを抑制する「ウイルスウォッシャー機能」を持った加湿器や空気清浄機を展開している。(館 洋光=Infostand)


 こちらも参照。小澤所長、記者発表会で効果を説明するの図

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090818/174333/?SS=imgview&FD=-1056136482


 ついでですが、同じく群馬県衛生環境研究所と三洋電機のコンビは、同じく電解水で2年前にノロウイルスも抑制したと言う共同研究結果を上げているようです。


三洋電機の電解水技術の新しい効果検証 ネコカリシウイルス(ノロウイルスの代用ウイルス)抑制※1に高い効果
http://jp.sanyo.com/news/old/0701news-j/0117-1.html


三洋電機の電解水技術(水道水を電気分解することで生成される希薄な電解水)により、ネコカリシウイルス(ノロウイルスの代用ウイルス)の感染価※2を99%以上抑制できることが確認されました。


1. 電解水によるFCV感染価の低減効果

電解水によるFCVに対する感染価の低減効果について検証実験を行った結果、遊離残留塩素濃度2mg/lの電解水に10分間接触させることにより、FCVの感染価を99%以上抑制できることを確認しました。



 はっきし言って同じです。


 つまり次亜塩素酸で殺菌していると言うことでしょう。別にそれ自体が胡散臭いと言うわけではなくて、普通にあると思います。いろいろなウイルスを殺すのも納得できます。単に次亜塩素酸で殺しているだけなら特に三洋電機の電解水がえらいと言うものではなく、塩水を電気分解すれば誰でも作れます。


 が、実験は「ウイルスを10分間、電解水に接触させる」と言うものです。で、小澤氏がスライドで賑々しく発表しているように99%のウイルス抑制効果を発揮していると言うのですが、化学をかじった人なら誰でも、それの実用性に疑義を持つでしょう。
 つまり、日常生活でどう使うか、通常の環境でどうやって10分間もの長時間、電解水をウイルスに接触させるかです。なんと言ってもこの実験は、空気清浄機での実験ではないのです。本当に役に立つのは、「空気清浄機を何時間使えば、室内のインフルエンザウイルス濃度を低減できるか」ではないのでしょうか?


 普通に考えて、屋内であってもこの電解水とウイルスを濃厚に接触させるのは難しいでしょう。屋内と言えどしょっちゅう扉の開け閉めはあり、密閉された系ではありえません。そもそも人は外にも出ます。外部でウイルス感染した人が、この電解水を飲めばインフルエンザの予防ができるのでしょうか?この電解水で手洗いを行えば「手に関しては」効果はありそうですが、それにしても10分も手を洗う人はまずいません。1分間での効果はどれほどなのでしょうか?


 次亜塩素酸での殺菌効果に疑いを持っているわけではありません。が、電解水を使った空気清浄機にインフルエンザ抑制効果があるのとは全く別の話なのは、素人にとっても常識です。が、三洋と群馬県衛生環境研究所は、関係の薄い両者を濃厚につなぎ合わせて、ほとんど詐欺に近い効果効用を謳っているように見えます。少なくとも、そう勘違いする人はいるでしょう。
 電解水で食材を洗うことで抑制効果が期待できるノロウイルスと違って、空気清浄機などおそらくは役に立たない飛沫感染する、今が旬のインフルエンザに対してこういう効果を宣伝するのは道徳的にどうよと思います。


 群馬県衛生環境研究所は間違いなく県の機関みたいですが、だからと言って必ず信用に値するものではないことがよくわかりました。小澤所長含めてその発言には眉に唾をつけて読まないといけなさそうです。