主に健康食品関連の掲示板などで、ときたま好転反応と言う言葉に出会います。どういう意味かと言えば、いわゆる健康食品を摂った際に体調が悪化したよ、と言うような相談に対して「それは好転反応で、正常なのです」と返事するように使われます。あるいは健康食品を摂取する前に言われる事もあります。「一時的に体調が悪化することがありますが、それは好転反応なので問題ありません」みたいに。
つまり体調が良くなる過程で、一時的に具合が悪くなることを好転反応と呼んでいるようです。が、信じている人には申し訳ありませんがとんでもない間違いです。
この好転反応については、以前わかりやすい解説ページがあったのですが、私がブックマークしていたのはもう10年近く前で、先日久しぶりに読もうとしたらすでに消えていたので、なんとか覚えていた部分に加え、あらためて調べたものを組み合わせて少し説明します。
好転反応は、中医学で言う「瞑眩(めんげん)」をもとに作られた概念と思われます。
瞑眩とは漢方薬の『証』にあった治療の治癒過程で、漢方薬を飲んだ後に「一時的に現れる」思いがけない反応や、病状がかえって増悪する現象を瞑眩と呼びます。事前に全く予期できないものですが、瞑眩は『証』にあった治療の治癒過程での一種の反応であって、この場合は投与中止や変更の必要はありません。服用後1-2日以内に現れ一過性。発生頻度はかなり低く、ある症状が瞑眩かそうでないかの判別は漢方薬の使用に熟練した医師に限られます。
つまり仮に好転反応(瞑眩)なるものがあったとしても、そこら辺の素人が判断できるものでは決してなく、いわゆる自然食品・健康食品を摂って起こる「好転反応」はほぼ全て「そうではない」と判断して良いものです。
瞑眩は熟練した漢方医がずっと患者を観察してはじめて、そうかどうか判別できるものなのに、好転反応の場合はたいていが掲示板の書き込みで症状を軽く聞いた結果、これまた軽く言い渡されます。言い渡すほうも特に医師というわけでもなく、ただの素人(健康食品の販売員だったり)が言っているだけで、なぜ信用できるのか不思議なくらいです。本物の医師であっても(と言うか本物の医師であればなおさら)、ネットの書き込み程度で人様の健康を左右するような診断などしません。
そもそも医師でない人が医療行為(診断)や処方(何かの症状に健康食品を勧める)をしてはいけません。もっと根本的なことを言えば、健康食品はただの食べ物であり、何かの病気に効いたりなどと言った効用など存在しません。健康食品は「健康な人が食べる食品」と解釈すべきです。
「好転反応」なるものが起きた場合、それはほとんど全て単なる症状の悪化です。特定の健康食品でいつもそういう症状が起こるなら、即刻そんなものの使用は中止すべきです。