想像ですが、たぶん全ての農家は農薬使用を止めるかあるいは使用量を減らしたいと思っています。それは無農薬・有機農法信奉者に限ったことではありません。


 ところでたぶんですが、企業の経営者はなべて、無駄な従業員の頭数は減らし、かつ無駄でない従業員の給料も減らしたいと考えていると思います。ですが当然、そんなことは簡単には出来ません。無駄な従業員と言うひとが本当にいるならそれなりに簡単に解雇できるでしょうが、本当に無駄なのかどうかはわかりづらい面があるし、その社員の生活などへの責任感とかのつまり情実の問題、その他の社員たちに対する気持ち、縁故やコネなどなどその他さまざまな問題があるでしょうし、給与については考え無しに引き下げたおかげで人件費を抑えられた以上に売り上げが落ちては元も子もなしです。
 という、当たり前な話をくどく書きましたが、農家だって農薬の使用量を減らせば農薬代がかからずに済むため(日本の農薬価格は世界一高いです)、企業の社長が従業員の給与を下げたいと思う程度には農業経営者も農薬使用をやめたいと考えています。冒頭に書いたのはそういう意味です。


 もちろん農薬使用の抑制に関しても企業の例を示したように、様々に問題はあるわけです。要は農薬を減らしたはいいが、そのおかげで被害が拡大しては意味無しです。それは利益や売り上げがどうこうという話にとどまらず、品質や安全性についても同じことです。ところが一般的には、農薬が農産物の品質や安全性の「向上に」一役買っているなどとはほとんど思われていません。


 でまあ、いろいろ工夫することによってちゃんと農薬使用を減らすことは出来ます。ただしそれは、農薬をいかに減らすかではなく、いかに上手に農薬を使うかと言う話です。たぶん他所の業界でも、いかに経費を減らすかより、いかに経費を有効に使うかを考えた方が前向きかつ効果はあるんじゃないかと勝手に想像します。
 もちろん口で言うほど簡単ではありませんが、「とにかく経費なんかゼロに近ければ近いほどいいんじゃ」なんて放言するワンマン経営者に感じる嫌気は共感してもらえるんじゃないかなあ。


koume