墨東や杏林の件がかまびすしい昨今、医療業界の中では「今さらこんなもの回すってどうよ!」な、労働環境に関するアンケートが出回っているらしくて、現場の人たちを辟易とさせる厚労省の取り組みはいつでも平常運転みたいですが、メラミン・トルエンなどの名前を聞かない日の無い食品業界でもアンケートが回ってきました。題して、「事故米に関する農林水産省の取組についての意識・意向調査(第1回)」です。
ウェブにもあります。
http://www.maff.go.jp/m/03/
中身はどういうものかというと、農水省の取組についてどのようなものを重要視していますかとか、取組の中間的総括についてどのように評価しますかとかいうもので、まあ具体的には、
事故米に関する農水省の取組の中間的総括について、どのように評価しますか。(1・大いに納得できる~5・全く納得できない)
1:流通ルートの全容解明について
2:事故米麦の輸出国等への返送・廃棄を行うための手続きについて
3:国が保有する事故米穀の廃棄処分について
4:米流通に関する検査マニュアルの整備について
5:善意の関連事業者への回収費用等に対する経営支援対策について
6:農林水産省職員の処分について
などなどとありますが(リンク先のウェブページでは、一般の方は回答は出来ませんが設問を見ることは出来ますのでどうぞ)、正直に言って私には、これらのアンケートの意図がよくわかりません。つまり、それを聞いてどうするの?と言う感じです。
ちなみに、取組の内容についてはアンケートに同封の資料がありまして、上に挙げた中間的総括がまとめられていますが、一概にそう見るのはおかしいとは思いつつもやはりどうしても「お役所的に処理済」な感想が抜け切れません。
ムチャクチャ適当にまとめると、このアンケートは要するに「この期に及んでもまだ農水省のことを信頼してくれますか?」ってことなんでしょうか?全部の設問で(5)にマルしたところで、答える方も受ける方も特にどうと言うこともなさそうですし、何だかこのアンケートはやっぱし、仕事のための仕事って感じがしますねえ。取り組み自体を評価しないなんてつもりはありませんが。
ただ以前にも書きましたが、この手の食の問題に関してはいろんな事柄が農水省に押し付けられすぎな感じはします。
実は2週間ほど前にも、これとは別なアンケートが来ていたのですが、これからの農水省に期待するものはなんですか?と言う問いに例えば「農産物の地域ブランドを作って、地方を活性化させる」などといった項目がありました。そんなことは地域の人間たちが自分自身でやることであって、やる気のない役人が出てきてアタマを取ってやったって成果など出るはずがありません。
他にも様々な項目があって、そのアンケート用紙自体は手放したので他のは思い出せないんですが、そんなのが農水省の仕事か?と思うものばかりでした。
例えば、食品全体の話はともかく、個々の食品についていわゆる安全・安心を提供するのは各食品メーカーや販売店の仕事であって、国の仕事とはなんか違うような気がします。事故米の件についても一番悪いのは三笠フーズが転用したことなのであって、それへの監視がやたら甘かったのは非難されるべきですが、にしても農水省の責任が一番大きいとはちょっと思いにくい感じがします。
国としての安全・安心への取り組みについては農取法や食衛法、JAS法などがすでにかなり整備されており、それの遵守を徹底することですでに完結しています。新しい法律など必要ありませんし、もともと国の仕事はこれらのような大枠を決めることであって、例えばこんにゃくゼリー1品目をどうこうと言うようなミクロな話には対応できないのがそもそもの姿でしょう。
このあたりでは、私はむしろ厚労省や農水省に同情的です。
が、そんな原則を無視して、このアンケートにも表れるように、あくまでも世論の流れにこだわることで目先の支持を集める方向に国が動くなら、もういろんな意味でどうしようもないと思わざるをえません。
農水省と言えば今は、健康被害なんか絶対に出ないであろう事故米の対応なんかより、韓国漁船の不法操業・EEZ侵犯の方が問題だろうに・・・ちゃんと強硬に対応するのかな?もしこの件で軍事的な対応も含むだろうと思って農相を石破にしたのなら、慧眼と言ってもいいですけど。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20081108AT1G0601S07112008.html
韓国船の密漁横行 山陰沖、漁具回収が急増
カニなどの好漁場として知られる日本海山陰沖の排他的経済水域(EEZ)内で、韓国漁船が仕掛けた刺し網などの漁具が多数見つかっている。密漁が横行していることを示すもので、昨年は640トンの漁具が回収された。水産資源の減少を懸念する水産庁は、ズワイガニ漁が解禁された今月6日から取り締まりを強化したが、監視には限界があり、有効な防止策は見つかっていない。
今年7月、但馬漁業協同組合津居山支所(兵庫県豊岡市)の漁船が、日本のEEZ内で韓国製の刺し網を回収し漁港に持ち帰った。網にかかった数百匹のズワイガニは死骸となって腐り、足が折れて売り物にならない無残な姿になった。(07:00)
http://www.nnn.co.jp/news/081024/20081024003.html
韓国漁船の違法漁具 「基金で回収理不尽」
日韓暫定水域で韓国漁船が漁場を独占している問題で、山陰沖の漁業者団体と地元選出の国会議員による懇談会が二十三日、東京都内で開かれ、漁業者側が二〇〇九年度に底をつく支援基金の継続を要請。韓国漁船の違法設置漁具の回収に基金が投入されている「理不尽」な実態を踏まえ、実効性のある日韓漁業交渉を求めた。石破茂農相(鳥取1区)は交渉の手法を見直す考えを示した。
支援基金は一九九九年一月の新日韓漁業協定発効に伴って影響を受ける漁業者の経営安定を目的にした激変緩和措置で、国が二百五十億円を助成。漁業共済掛け金や減船休漁への補助のほか、日本の排他的経済水域(EEZ)で押収した韓国漁船の違法漁具の回収にも充てられ、二〇〇七年度末の残高は約五十億円。
懇談会に出席した鳥取、島根、兵庫各県の漁業者団体代表や知事は協定発効で設置された暫定水域の漁場を韓国漁船が独占し、さらに日本EEZで違法操業を繰り返す実態を説明。鳥取県漁協の伊藤美都夫組合長は「違法漁具の保管、運搬には費用が伴う。なぜ日本でやらなければいけないのか」と支援基金を使った理不尽な現状への思いを吐露した。
これに対して青木幹雄参院議員(島根県選挙区)は「相手(韓国)が投げ捨てた網を日本の基金でまかなうのはおかしな話だ」、谷公一衆院議員(兵庫5区)は「政府の取り組みに成果が上がらなければ、新しい手法を考えなければいけない」と答え、進展が見えない日韓漁業交渉に実効性を求める意見が噴出。
支援基金で違法漁具を処理している実態について、石破農相は「向こう(韓国)に送り返すなりの話を詰める」と語り、外務省と連携した新たな日韓交渉の枠組みを検討する意向を示した。
三県が提出した要望書によると、〇八年度上半期に回収した韓国漁船の違法漁具はバイかご、底刺し網など五百十八トン。解決をめぐって「竹島の領土権確立を目指すしかない」と根因を指摘する声も上がった。
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