しばらく前に、実は米も値上がりしてるんですよというエントリを書きましたが、その原因は政府が行ったコメ緊急対策によって農水省が買い入れた政府米を市場に流していないからだとしました。
 で最近になって、度重なる卸や小売からの圧力もあり政府米が一部開放されましたが、出す量がまだ少なすぎて相場の下落には全く結びついていません。


商経アドバイス6月12日号より


マル政入札、市中相場上回る高値続
新潟コシ2万2千円に 17年産平均落札も1万3千484円


 コメ緊急対策の発動で昨年11月から停止されてきた政府米販売が解禁され、19年産も含めた試行的入札が9日に行われた。下表の通り17年産・19年産5000トンずつ合計1万トンの提示に対し、10倍近い申し込みが入った。19年産の落札価格は、政府買入価格、全農スポット相対価格(コメ価格センター価格相当)を大幅に上回り、現在の市中相場を上回るケースも出た。2週間後の次回入札では、対象銘柄と提示数量の大幅な拡大が必要な状況だ。


 1産地銘柄につき700トンが提示された19年産では、申し込み倍率がほぼ6倍となった青森つがるロマンを除き、宮城ひとめぼれ、秋田あきたこまち、新潟一般コシヒカリなどが8~9倍超の高倍率に。7銘柄とも、全量が落札された。


 試行的実施として今回は、在庫地(産地)在姿販売方式がとられたコメ緊急対策による米価維持の趣旨から考えれば、政府販売予定価格(指し値)は「全農スポット相対価格プラス保管料マイナス運賃」と想定できるが、青森つがるロマンを除いて落札価格は相対価格を2000~5000円上回った。当然、政府買入価格よりも大幅に高い。


(以下略)


しょうけい2

(画像が潰れて見にくいです。クリックしたらちゃんと見れます)



 普通の消費者の方たちは知らないでしょうが、ここ数ヶ月で米は2割くらい値上がりしています
 で、何で皆さんが知らないかというと、小売価格は上がっていないからです。卸同士や、卸と小売業者との間での取引価格が上がっているわけで、つまり販売業者が泣いているわけです。


 で、小売業者の中には、「農家を保護するのはわかるが、小売店はどうなってもいいのか」と言う人もいるらしいのですが、それは考え違いです。農家はこの対策によって何の恩恵も受けていません。なぜなら、相場が高騰しだしたのは農家がすでに米を売り払った後だからです。
 だいたい、農家の事なんか全く無視して相場をぶっ潰し、異常なほど米を安くしたのはお前らだろうが、今さら困ったとか言われても知るかよ!!
 ・・・と言いたい所ですが、実際に米を安く叩いたのは大規模量販店や、何よりもJAですので中小の小売店はやっぱし被害者です。こういうところは、周囲の量販店が値下げしたら付いて行かざるを得ませんからね。
 ただしそれでも、ちゃんと生産者のことを考えてくれてる小売業者は以前からちゃんとしたまともな値段で米を買ってくれてましたから、今高騰だーとか言って泣いている業者はやはり自業自得の面があると思います。そもそも今の価格だって、実際には高騰というよりも、まともな水準に戻ってきたって程度に過ぎませんからね。今までが安すぎただけ。
 しっかし、この件で本当に儲けたのは一次卸(要するにJA)でしょうし、やっぱりむかつくなあ。


 ところで、狙っているのかどうか知りませんが、今回の農水省の動きはすごいですね。米の高騰を誘って、実際に高騰したら売り玉を小出しにし、相場を下げずに売りぬく・・・これってまるで仕手戦みたい、つか仕手そのものじゃないですか。農水省大儲けだなぁ。


 今回の件で分かったのは、日本の米なんか別に余ってるわけではない、って事じゃないですかね。国内の米は余ってるとよく言われていますが、あと5年くらいしたら状況は全然変わると思っていましたが、現時点でもすでにやばいんですね。
 というのは、19年産の米は特に不作でもなく、数県が減反なんかカチ無視したために減反目標も達成されず、JAが集めるといっていた振るい下米も政局になるぞと怒られるほどに集まらず、MA米も相変わらず入ってきて・・・な状況なのに、政府がちょっと引き締めただけでこれだけあっぷあっぷしてるんです。


 実際のところ、米が余ってるといわれているのは、去年までの繰越在庫があるからなんです。単年だけで見れば、米ですら自給率が100%あるわけではない。
 かといって減反をいきなりやめるのは短慮以外の何物でもありませんが、「米をやめて麦や大豆を作れ!」と素人さんにねじ込まれるような状態でもないんです。米ですら、頑張って頑張ってもギリギリ現状維持なんですよ、日本の農業って。


 そもそもガソリンが50円も上がって、肥料も何割も上がってるのに同じ価格で作れるわけが無いじゃろ!


koume