Yosyan先生の言葉を真似すると、私は信じてもらえる限りにおいて百姓ですが、全然、農業の仕事のことを書いていないので(農政のことは書くけど、あれは農業人じゃなくても書けますからねえ。むしろ農家が物を言っても面白くない)、たまには今やってる仕事のことを。
田んぼに肥料を撒いています。わかる人には、今頃!??てなもんですが、うちは仕事が遅いのです。のんびりやっているわけではなく、毎日休み無く仕事をしていてもこんなもんです。田植えは例年通り、6月いっぱいかかります。
うちは化学肥料を一切使わず、全量有機肥料で米作りをしています。今年は自家製のボカシ堆肥を取り入れました。去年もヒカリ新世紀などごく一部で使ったのですが、今年は量をドンと増やして全体の半分くらいの田んぼに堆肥を撒いています。
ちなみに農薬は使っているので、いわゆる有機栽培ではありません。
化学肥料と有機肥料は、モノ自体が違うのは当然ですが、使い方にも違いがあります。大きな違いとしてはまず撒く量が全く違うのと、撒く時期もまるで違います。
量で言えばうちの堆肥の場合、田んぼ10aあたり200kgは撒いています。普通に化学肥料を使うならば量がまるで少なくて済むので、ほんの少しの田んぼしか作らない兼業農家の場合はバケツに入れてひしゃくで撒いたり、背中に担ぐ散布機で撒いたり出来ますし、専業農家の場合であっても田植え機の後ろに肥料を撒く機械をつけてパラパラ落としていく形でもいいのですが、有機肥料を200キロも撒くのにそんなことをしていては時間がいくらあっても足りません。ので、写真のようにトラクターに散布機を取り付けて(ブレンドキャスタって言うんですが)一気に撒いています。これ一杯でも100キロくらいしか入らないので、2回は撒くことになるんですが。
また時期が違うというのは、化学肥料の場合は田植えと同時か、あるいは田植えの後に肥料をやってもいいくらいなのですが有機肥料の場合は田植えよりも最低1週間は前に撒かないといけません。田植え機による同時施肥ができない理由はここにもあります。
そもそも化学肥料と有機肥料の違いは、化学肥料の場合は植物が栄養素としてそのまま直接摂取できるようになっているのに対し、有機肥料の場合はそのままでは植物が摂取できません。土中に漉き込んで、微生物に分解してもらって初めて植物が摂取できるようになるのです。
そのため、化学肥料を使うと植物の根があまり土中に入り込まない(入り込まなくても栄養素・・・化学肥料が近くにある)のに対して、有機肥料を使うと土の中まで根がよく浸透する(しないと栄養素がない)と言われています。
人が栄養素を摂る時、食べ物から摂るか、ビタミン剤などのサプリメントから摂るかの違いに似ています。
ま、そういう視点で見れば、健康マニアみたいな人がサプリを熱心に摂りながら無農薬野菜をありがたがるのは滑稽としか思えません。
ところで有機肥料200kgと簡単に言いますが、これを撒くためには当然肥料を運搬しなくてはいけないわけです。写真のようにトラックに山積みにして運びます。
実際に撒く作業はすぐ終わるのですが、肥料をトラックに積んだり散布機に詰めたりするのはひたすら人力です。一袋20kgで、1日にのべ何百袋も積み降ろしします。
1年の中でもトップクラスに疲れる仕事です。しかも最近暑いんだよなぁ(^^;
koume

