籾(もみ)とは、稲作において稲刈りをして収穫したばかりのもので、籾の皮を剥いて玄米となります。剥いた皮は籾殻といい、大量に出るので邪魔で邪魔でしょうがないのですが、くそ固くてしかもなかなか腐らないので処理に困る代物です。まあうちでは堆肥に使っていますが。
 と、やたら基本的な説明ですが、この籾から要らない部分を取り除いたものが、いわゆる米の種となります。コシヒカリの籾を土にまくとコシヒカリの芽が出ます。こういうのを普通は種籾と呼んでいます。


 ところで、この籾には「種子籾」と「種籾」の違いがあるんです。どう違うか知っている人は、農業関係者以外には滅多にいないでしょうが、農家でも知らない人は多いです。どっちも、苗に仕立てれば米が作れるところは全く同じですが、両者は違うんです。


 どう違うかというと、種子籾とは農政局が検査をして種子協会が保障する、要するに公的に認められた機関の手を経てそれなりの窓口(例えばJAとか)から販売されるもので、種籾はそれ以外の、農家が勝手に籾を種籾に仕立てたもの(自家採種)です。扱いはどう異なるかというと、種子籾を使って作った苗は他人に売る事が出来ますが、種籾で作った苗は他人に譲渡する事は出来ません(有償、無償に関わらず
 しばらく前までは自家採種の種で作った苗を販売してもOKでしたが、種苗法が改正されて、公的な場所から出てきた種以外はダメとなったのです。一般の方から見れば、それも当然、納得できる話と感じると思います。


 ただねー、そりゃあ種子籾が文句のつけようもない、完璧な品物だというならいいですよ。しかし、JAから買った種子籾に別の品種が混ざっていた、なんて事例はしょっちゅうあるんですよ。毎年最低一件は聞こえてきます。うちは自家採種できるだけの設備も持っていますが、はっきり言って自分で作った種の方がよほど信頼出来ます。
 なんか、JAに儲けを確保させる為だけの規則に思えて仕方ないんです。種子籾って結構高いんですが、それを農家が自分で作ってたらJAに実入りは全然ないですからね。自家採種に制限を掛けていながら、JAは自家採種のための機械を売ってたりするのもなんかおかしいと思いませんか。


 自家採種の苗に異品種混入があったなら、苗を作った農家が責任を取ればいいだけの話です。世の中は規制緩和とか言いながら、農業業界に関しては農薬取締法といいすべてにおいてガンガン規制強化が進んでいます。


koume