いもち病は、稲作でのメジャーな病気のひとつだから、この遺伝子が発見されたことは疫学的に重要ですね。
でも日本では遺伝子組み換えは流行らないっつかアンチ団体が酷いし。
でも遺伝子組み換え食物は、農学的にも生物工学的にも経済学的にも重要で、今の世界事情では求められているもののひとつだと思います。日本でバイオマスエネルギーを自給したいというなら、遺伝子組み換え植物は必要。
普通の品種改良だって、結果的に出来る物は変わらないんですけどね。実験圃場で作る新品種も従来の物とは遺伝子が違う。田んぼで作るか実験室で作るか・・・実は実験室で作るほうが、どの遺伝子がどう変わってるかはっきりわかるから、いろいろな意味で扱いやすかったりする。
<イネ>いもち病に強い遺伝子発見 農業生物資源研
7月18日1時29分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070718-00000010-mai-soci
いもち病などに極めて強い防御機能を持つイネの遺伝子を農業生物資源研究所(茨城県つくば市)が世界で初めて発見し、17日発表した。コムギなどイネ以外のイネ科作物にも利用可能。遺伝子組み換えにより、農薬使用を大幅に抑えられる新品種開発が期待される。
研究チームは、世界で利用されている病害防除薬ベンゾチアジアゾール(BTH)が、植物自体の持つ病害抵抗機能を活性化させることに注目。メカニズムを解析し「WRKY(ワーキー)45」という遺伝子が、BTHによって活性化された抵抗機能の中心的な役割を担っていることを突き止めた。
さらに、ワーキー45は病原体への抵抗性を持つ数百の遺伝子を統括的に制御していることも分かった。しかし、活動を始めるまでに時間がかかり病原体に侵されてしまうケースも多かった。
研究チームは、病原体の侵入とともに活動するように遺伝子を組み換えたところ、いもち病はほとんど発症せず、さらに白葉枯病など、いもち病以外の病気にも強い抵抗性を示すことが分かった。【石塚孝志】
原論文:
THE PLANT CELL Published on June 29, 2007; 10.1105/tpc.106.046250
Rice WRKY45 Plays a Crucial Role in Benzothiadiazole-Inducible Blast Resistance
ところで、稲の病気はいもちや白葉枯れ以外にもいろいろありますが、野菜の病気も含めて、たいていは致命的な病気です。たぶん世の中の皆さんは、植物の病気なんて人間で言えば風邪程度の軽い物と感じているかもしれませんが、実はガンやエボラに匹敵するような酷い病気はざらにあります。
消費者団体の方々は、有機肥料をやって農薬を使わずに健康に育てれば病気なんか撃退できる、とよく言いますがそれは違います。人間でも、毎朝乾布摩擦をして食事にも気をつけているような人でも病気になる時はなります。
先日、麻疹が流行して大騒ぎになりましたが、予防接種をしなかったツケは如実に出ています。次は日本脳炎の流行も予想されています。実は、先進国中でこれほど予防接種の摂取率が低い国は他にないそうです。
というわけで米や野菜も、病気に対して予防的に使う農薬は非常に重要です。エボラなどと違って特効薬が開発されていますので、適切に使えばかなり抑え込めます。使わなくて、ちょっと細菌でも蔓延すれば、農産物なんかすぐ全滅しちゃうんです。
実は減農薬栽培ではしばしば、こういった予防的に使う農薬が省略されます。運良く病気が来なければ、確かに農薬を使う回数は削減されますが、もしやっぱり病気が来たという事になれば大変です。もちろん対症的に使う農薬もあるのですが、その時使われる農薬の量は予防的に使うのとは段違いに多くなります。撒くのも面倒くさく、タイミングが遅れれば(たった1日病気の蔓延に気づかなくても)手遅れということもあります。当然、遅く撒くなら残留する可能性も高くなります。
技術は適切に使うことが重要です。自然のままに放っておけば死ぬだけです。
koume
↑農業の未来のために。応援頂けると嬉しいです。